城メグリスト・萩原さちこの「名城に学ぶ」(第9回)

弘前城/桜と撮りたい東日本唯一の現存天守

2014.04.21 Mon連載バックナンバー

 こんにちは。城メグリストこと城郭ライターの萩原さちこです。人気の城や話題の城にスポットを当て、魅せられる理由や感じたことを、時にビジネス視点も交えながらお伝えしていくこの連載。第9回は、弘前城(青森県弘前市)です。

 

200万人が訪れる桜の名所

 全国屈指の桜の名所として知られる弘前城。満開を迎えるゴールデンウィーク前後には毎年「弘前さくらまつり」が開催され、全国から200万人以上の人が訪れます。

 トンネルのように満開の桜が頭上を覆う西濠沿いの小径や、ピンク色のカーテンのように桜が天守のまわりで揺れるようすは、思わず息を飲む美しさです。実はさまざまな品種があり、現在弘前城公園として整備されている敷地内には、約50種類2,600本にも及ぶ桜が咲き乱れます。

 弘前城における桜のはじまりは、1715年(正徳5)に藩士が内東門に植えたカスミザクラ。現在の桜は、明治時代に入ってから少しずつ植林されたものです。市民の寄付によって増え続け、1918年(大正7)に初めて観桜会が開かれました。弘前市民とともに歩んできた、歴史の証でもあります。

 

全国で12しか残っていない天守のひとつ

 弘前城は、東日本でただひとつの現存天守を擁する城です。水濠に突き出すようにすらりと立つ姿は独特の奥行感があり、実寸よりも大きく見えて勇壮。どちらかというと直線的で殺風景なデザインですが、自然を上手に取り込んで、躍動感にあふれた美があります。

 現在の天守が建造されたのは、1810年(文化7)のこと。築城時に築かれた天守が16年後の1627年(寛永4)に落雷で消失したため、再建されました。

 1615年(元和元)の江戸幕府による武家諸法度公布後は、城の新築・改築は厳しく規制され、天守の建て直しなど許されません。そこで、… 続きを読む

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萩原 さちこ (城メグリスト)

萩原 さちこ (城メグリスト)

城郭ライター、編集者

執筆業を中心に、メディア出演、講演、講座もこなす。著書に『わくわく城めぐり』(山と渓谷社)、『戦国大名の城を読む』(SB新書)、『日本100名城めぐりの旅』『「現存」12天守めぐりの旅』(学研パブリッシング)、『お城へ行こう!』(岩波ジュニア新書)など。『月刊歴史読本』(KADOKAWA)で「萩原さちこのこだわり城郭探訪」連載中。文化財石垣保存技術協議会会員、日本城郭検定公式サポーター。公式サイトはhttp://46meg.jp

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