城メグリスト・萩原さちこの「名城に学ぶ」(第8回)

彦根城/現存天守に美と闘志が秘められた城

2014.02.23 Sun連載バックナンバー

 こんにちは。城メグリストこと城郭ライターの萩原さちこです。前回の安土城の記事はいかがでしたか?人気の城や話題の城にスポットを当て、魅せられる理由や感じたことを、時にビジネス視点も交えながらお伝えしていくこの連載。第8回は、彦根城(滋賀県彦根市)です。

 

コンパクトでスタイリッシュな現存天守

 国宝四城のひとつ、彦根城。最大の見どころは、現存する天守の美しさです。高さは約21mと小ぶりでつくりも古式ながら、スタイリッシュ。白漆喰の壁のせいかパッと見たときの印象はシンプルですが、さまざまな種類の破風(三角形の装飾窓)が絶妙なバランスで配され、なかなか凝ったデザインです。決して広くはないけれど、おしゃれで機能的。コンパクトカーやデザイナーズマンションのようなイメージでしょうか。

 ところ狭しと壁に飾られた破風の中でも、彦根城天守でしか見られないのが、東西面一重目の庇がついた三角屋根(比翼切妻破風の庇付き)、南北面のカタカナの「へ」の字型の三角屋根(入母屋破風の隅部を切妻にした比翼切妻破風)、壁につけただけの装飾窓(入母屋破風)。一重目の「へ」の字型の屋根(切妻破風)は大きさや奥行きに変化を与え、唐破風はデザイン性をぐっとアップしています。寺社建築に用いられる鐘のようなデザインの窓(華頭窓)が二重目と三重目に連続するのも、彦根城の天守だけです。

 梁行に対して桁行が長い長方形をしているため、南・北面はどっしりと、東・西面はきりりと端正に見えるのも特徴です。… 続きを読む

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萩原 さちこ (城メグリスト)

萩原 さちこ (城メグリスト)

城郭ライター、編集者

執筆業を中心に、メディア出演、講演、講座もこなす。著書に『わくわく城めぐり』(山と渓谷社)、『戦国大名の城を読む』(SB新書)、『日本100名城めぐりの旅』『「現存」12天守めぐりの旅』(学研パブリッシング)、『お城へ行こう!』(岩波ジュニア新書)など。『月刊歴史読本』(KADOKAWA)で「萩原さちこのこだわり城郭探訪」連載中。文化財石垣保存技術協議会会員、日本城郭検定公式サポーター。公式サイトはhttp://46meg.jp

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