城メグリスト・萩原さちこの「名城に学ぶ」(第7回)

安土城/覇王・織田信長が生み出した、型破りな城

2014.02.17 Mon連載バックナンバー

 こんにちは。城メグリストこと城郭ライターの萩原さちこです。前回の松本城の記事はいかがでしたか?人気の城や話題の城にスポットを当て、魅せられる理由や感じたことを、時にビジネス視点も交えながらお伝えするこの連載。第7回は、安土城(滋賀県近江八幡市)です。

 

日本の城の常識をつくった、信長の城革命

 織田信長なくして日本の歴史を語れないように、信長なくして日本の城は語れません。なぜなら、一般的な常識となっている“城”をこの世に誕生させたのは信長だからです。既成概念にとらわれない独自の思想と抜群の行動力で新しい日本を切り開いた信長らしく、開発した城も奇想天外でした。

 天下統一をいよいよ目前にした信長が、1576年(天正4)に新時代の城として生み出したのが安土城です。今、私たちがあって当然と認識している天守を発明したのも、城全体をぐるりと石垣で取り囲んだのも、信長。それまで寺院建築でしか採用されていなかった瓦葺きの礎石建物を城に建て、シャチホコを城に採用したのも信長です。

 安土城をお手本に、城は現在私たちが目にするような天守や石垣を備えたスタイルに変わります。つまり安土城は、現在残っている日本のお城のルーツ。近世城郭の第1号と位置づけられ、それ以前の中世城郭とは違う築城史の1ページを開くことになります。安土城をターニングポイントとして、安土城以降の城を近世城郭、それ以前の城は中世城郭と分類されます。

 築城開始からたった3年で完成し、そのわずか3年後に焼失。覇王・信長の居城というだけでなく、電光石火の如く姿を消した幻の城でもあることから、お城ファンの間でも人気がある、ロマンあふれる城です。… 続きを読む

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萩原 さちこ (城メグリスト)

萩原 さちこ (城メグリスト)

城郭ライター、編集者

執筆業を中心に、メディア出演、講演、講座もこなす。著書に『わくわく城めぐり』(山と渓谷社)、『戦国大名の城を読む』(SB新書)、『日本100名城めぐりの旅』『「現存」12天守めぐりの旅』(学研パブリッシング)、『お城へ行こう!』(岩波ジュニア新書)など。『月刊歴史読本』(KADOKAWA)で「萩原さちこのこだわり城郭探訪」連載中。文化財石垣保存技術協議会会員、日本城郭検定公式サポーター。公式サイトはhttp://46meg.jp

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