城メグリスト・萩原さちこの「名城に学ぶ」(第5回)

小田原城/2つの城が共存する、官兵衛ゆかりの城

2014.02.03 Mon連載バックナンバー

 こんにちは。城メグリストこと城郭ライターの萩原さちこです。前回の姫路城の記事はいかがでしたか?人気の城や話題の城にスポットを当て、魅せられる理由や感じたことを、時にビジネス視点も交えながらお伝えしていく連載。第5回は、小田原城(神奈川県小田原市)です。

 

大河ドラマ『軍師官兵衛』の冒頭シーンに登場

 2014年の大河ドラマ『軍師官兵衛』がスタートしました。豊臣秀吉の天下統一の道筋をつくりサポートした軍師・黒田官兵衛(如水)が主人公です。

 軍師はもともと呪術者に近い存在でしたが、兵法に精通し知識も豊富、交渉術にも秀で、情報網も強靭であることから、戦国時代には合戦における参謀のような立場にありました。とくに官兵衛は戦略・戦術に長けていたとされ、秀吉の転機となる合戦に多大なる貢献をします。

 秀吉のサクセスストーリーがフィクション映画だとしたら、官兵衛はシナリオライター、演出家、監督というところでしょうか。主人公のキャラクターを生かしながら、もっとも魅力的にストーリーを構成し、それが実現するように手筈を整えて裏方として立ちまわります。

 さて、記念すべきドラマの冒頭に登場したのが、小田原城です。1590年(天正18)、秀吉の関東攻め(小田原征伐)で、官兵衛が北条氏(後北条氏、小田原北条氏)の籠城する小田原城へ、降伏を促す使者として乗り込む場面です。実質的な天下統一の総仕上げとなった小田原城攻めで開城を説き伏せたシーンは、このドラマにおいて重要な局面として描かれるようです。

 

官兵衛時代の小田原城

 小田原城というと、思い浮かぶのはおそらく白い天守。東海道新幹線の車窓からも見えるシンボル的存在です。小田原城は関東には数少ない天守があることから知名度が高く、観光スポットとして知られます。

 しかし、ドラマで官兵衛が乗り込んだ小田原城は、なにやら違う様子。天守らしき建物は見当たらず、土手のような土壁の上に、柱で組まれた小屋のような砦が築かれた、なんとも華やかさに欠けるビジュアルです。城というよりは、古戦場のような印象を受けるかもしれません。… 続きを読む

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萩原 さちこ (城メグリスト)

萩原 さちこ (城メグリスト)

城郭ライター、編集者

執筆業を中心に、メディア出演、講演、講座もこなす。著書に『わくわく城めぐり』(山と渓谷社)、『戦国大名の城を読む』(SB新書)、『日本100名城めぐりの旅』『「現存」12天守めぐりの旅』(学研パブリッシング)、『お城へ行こう!』(岩波ジュニア新書)など。『月刊歴史読本』(KADOKAWA)で「萩原さちこのこだわり城郭探訪」連載中。文化財石垣保存技術協議会会員、日本城郭検定公式サポーター。公式サイトはhttp://46meg.jp

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