城メグリスト・萩原さちこの「名城に学ぶ」(第15回)

五稜郭/幕末に築かれた星型の西洋式城郭

2014.07.14 Mon連載バックナンバー

 こんにちは。城メグリストこと城郭ライターの萩原さちこです。前回の首里城の記事はいかがでしたか?人気の城や話題の城にスポットを当て、魅せられる理由や感じたことを、時にビジネス視点も交えながらお伝えするこの連載。第15回は、五稜郭(北海道函館市)です。

 

日本に五稜郭は2つある

 函館のシンボルでもあり、観光スポットとしても知られる五稜郭。五稜郭公園として解放され、緑豊かな市民憩いの場でもあります。幕末の歴史や新撰組が好きな人なら、箱館戦争の舞台としてもよく知るところでしょう。

 五稜郭、といわれますが、これは通称です。正式名称は、「亀田御役所土塁」または「箱館御役所」といいます。五稜郭とは星型の設計をした城の総称で、同じように星型をした龍岡城(長野県佐久市)も五稜郭といいます。日本には五稜郭が2つあるのです。

 城というと天守や石垣を思い浮かべがちですから、「これも城?」といささか不信感が込み上げるかもしれません。しかし、軍事目的で建造された要塞で、れっきとした城です。

 

外国からの攻撃に備えて構築

 函館に五稜郭が完成したのは、幕末の1864年(元治元)のこと。当時の日本は、かたくなに鎖国を貫いていましたが、1853年(嘉永6)にアメリカのペリー艦隊が浦賀に上陸すると、翌年には日米和親条約を締結することになります。これにより、函館と下田の開港が正式に決定し、箱館奉行所は外国との交渉の窓口になりました。

 外国からの攻撃に危機感を感じた役所の人々は、… 続きを読む

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萩原 さちこ (城メグリスト)

萩原 さちこ (城メグリスト)

城郭ライター、編集者

執筆業を中心に、メディア出演、講演、講座もこなす。著書に『わくわく城めぐり』(山と渓谷社)、『戦国大名の城を読む』(SB新書)、『日本100名城めぐりの旅』『「現存」12天守めぐりの旅』(学研パブリッシング)、『お城へ行こう!』(岩波ジュニア新書)など。『月刊歴史読本』(KADOKAWA)で「萩原さちこのこだわり城郭探訪」連載中。文化財石垣保存技術協議会会員、日本城郭検定公式サポーター。公式サイトはhttp://46meg.jp

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