城メグリスト・萩原さちこの「名城に学ぶ」(第14回)

首里城/まるで異空間!色鮮やかな世界遺産のグスク

2014.06.30 Mon連載バックナンバー

 こんにちは。城メグリストこと城郭ライターの萩原さちこです。前回の鶴ヶ城の記事はいかがでしたか?人気の城や話題の城にスポットを当て、魅せられる理由や感じたことを、時にビジネス視点も交えながらお伝えするこの連載。第14回は、首里城(沖縄県那覇市)です。

 

琉球王国の座所として君臨するグスク

 沖縄の城は「しろ」ではなく「グスク」といいます。明治維新まで琉球王国として繁栄していた歴史を持つ沖縄は、文化も独自です。グスクもそのひとつで、城内に拝所がいくつもあり、信仰の場を兼ねるなど、構造だけでなくあり方も独特です。

 沖縄には350以上ものグスクがありますが、そのなかでも琉球王国の国王の居城である首里城は特別な存在です。14世紀のはじめ頃から中山、南山、北山の3つの国に分裂していた琉球を、15世紀に入り南山の尚巴志が統一。初代琉球国王となった尚巴志が、首里城を王都に選定し、首里城は政治・経済・文化の中心地、中国・朝鮮・日本をはじめ東南アジアの外交・交易の拠点として大発展を遂げました。1609年(慶長14)に薩摩軍に征服され幕藩体制に組み込まれてからも、1879年(明治12)に沖縄県になるまで170年存続し、約500年の間、国王の在所であり続けました。

 

紫禁城をモデルに、日本建築も融合

 首里城の特徴は、なんといっても独特の色彩と装飾です。シンボルでもある正殿の壁面は、目が覚めるように鮮やかな赤色で塗られています。柱は緑や群青などの極彩色で模様が艶やかに描かれ、屋根のてっぺんに乗るのは勇ましい龍。出入口の両脇には、龍を柱に見立てた大龍柱と小龍柱が立ち、すべて違うポーズをした獅子が乗った高欄が並びます。

 首里城は中国の紫禁城をモデルに建造されたといわれており、きらびやかな彩色や龍の文様などは中国の影響を強く受けていると考えられます。巨大な龍頭棟飾、軒先の瓦にある瓦当紋様、雲型の飾瓦、ユニークな唐破風など、どれも特有のもので、見ているだけで異空間へワープできそうです。

 内部の構造も独特で、… 続きを読む

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萩原 さちこ (城メグリスト)

萩原 さちこ (城メグリスト)

城郭ライター、編集者

執筆業を中心に、メディア出演、講演、講座もこなす。著書に『わくわく城めぐり』(山と渓谷社)、『戦国大名の城を読む』(SB新書)、『日本100名城めぐりの旅』『「現存」12天守めぐりの旅』(学研パブリッシング)、『お城へ行こう!』(岩波ジュニア新書)など。『月刊歴史読本』(KADOKAWA)で「萩原さちこのこだわり城郭探訪」連載中。文化財石垣保存技術協議会会員、日本城郭検定公式サポーター。公式サイトはhttp://46meg.jp

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