銘酒ふれあいの旅(第1回)

機長の愛した泡盛―伊良部島「宮の華 華翁」―

2013.07.25 Thu連載バックナンバー

 はじめまして、大石敏夫と申します。
 この度、銘酒にまつわるエピソードを連載することになりました。
 よろしくお願い申し上げます。
 連載開始に当たり、なぜ銘酒に関わるお話をすることにしたのか、またそのような話がなぜ皆様のビジネスと関係があるのかについて、一言申し述べたいと思います。
 私は現在株式会社ミントスというビジネスマナー、人材管理を中心とした研修会社を経営していますが、前職は航空会社でした。

機長の愛した泡盛―伊良部島「宮の華 華翁」― 仕事柄、国内外の各地を回り、業務のかたわら、幸いにも広くその土地の文化に接する機会を得ました。生来私は、食を愛し、酒を愛する性分ですので、訪れた土地の食べ物やお酒を必ず味わってきました。私は常々、ビジネスマナーはコミュニケーションであり、心のふれあうコミュニケーションは良い人間関係をつくりだし、それがビジネス成功の基本であると考えてきました。食や酒は人間の根源的な部分であり、大変有効なコミュニケーションの手段です。食べ物やお酒の話題には、誰もが利害を離れ、違和感なく参加できます。是非各地の銘酒とそれを育んだ風土にまつわる話題をお読みいただき、ビジネスにおける話題作りにご活用いただければ幸いです。

 今回は伊良部島の「宮の華 華翁(はなおきな)」についてお話したいと思います。
 南の島に咲いた銘酒の華、その優しさと逞しさをお伝えします。

 

大きな甕に入った泡盛が、訓練の疲れを癒してくれた

 甕から柄杓で琥珀色の液体を湯呑に注ぎ、一口口に含んだ。芳醇な香りが鼻にぬけ、とろりとした舌触りの上品な旨味が口の中に広がった。それが宮の華との初めての出会いであった。
 沖縄からはるか南、宮古諸島の一つ下地島にある飛行場の訓練センター食堂でのことだった。
 食堂談話室のテーブルの上に、大きな甕が常時置いて有り、泡盛が入っている。明日訓練飛行が無い教官や訓練生は、休日を前に今日の訓練をかみしめながらここで泡盛を飲む。
 訓練飛行は長時間に及ぶため、肉体的にも精神的にもかなりハードだ。泡盛は疲れを癒す良い薬となるのだ。

 泡盛の名前は、「宮の華 華翁古酒」といった。

 伊良部島の豪快な気風と反対に、華翁の味わいはサンゴ礁の海にコバルト色にきらめく日の光のように繊細に揺れている。島の環境と味わいのアンバランスが何とも不思議に思えた。
 地元の方に聞いたところ、華翁古酒を生産している株式会社宮の華は、女性社員が8割を占め、珍しいことに杜氏も女性が多いとのことである。なるほど女性の優しさが、上品で繊細な味わいを醸し出しているのだ、と納得した。… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

大石 敏夫

大石 敏夫

株式会社ミントス 代表取締役社長

1972年日本航空株式会社入社、勤労部、客室乗員訓練部、日航財団事務局長、運航乗員訓練部副部長等を務め、JALシミュレーターエンジニアリング常務取締役にて2007年退職。主に人材管理・育成部門を担当。
現在、ビジネスマナー、コミュニケーション中心とした研修会社、株式会社ミントスを経営するかたわら、大学にて講義を行っている。元桜美林大学特任教授、城西国際大学講師、日本観光研究学会会員、日本国際政治学会会員、メンタルヘルス資格(ラインケア)。

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter