ワインを楽しみ、人生を楽しむ(第5回)

「キリストの涙」という名のワイン

2013.09.07 Sat連載バックナンバー

 皆さまこんにちは。株式会社ミントスのビジネスマナーインストラクター大石信子でございます。前回の「赤玉ポートワインのノスタルジー」はお読みいただけましたでしょうか?今回はガラッと方向を変えまして、ナボリの眩しいほどの日差しを思い浮かべていただきたい「キリストの涙」のお話です。

 

ナボリまでの長い道のり

 日本を発ってから約半日、ローマフェミチーノ空港に降り立ちます。イタリアは何度訪れてもまた行きたくなる魔法のような国です。ホテルにチェックインを済ませると早速行動開始、フォロ・ロマーノを散策しながら、カエサルの歩いた道、ガリアからの凱旋行進が通った凱旋門に向かう道、アントニウスの邸宅の跡など、古代ローマにタイムスリップしてしまいます。コロッセオから血生臭いアトラクションに興奮する人びとの歓声が聞こえてくるようです。現在のフォロ・ロマーノは、石畳と遺跡に焼け付くような真夏の太陽が照りつける世界有数の観光地です。
 ローマに数日滞在した後、今回の目的地ナボリへ向かいます。ローマのテルミニ駅からユーロスターで約1時間、流れる車窓を楽しみながら南イタリアのナボリに到着しました。駅の周りは工事の最中で、偽ブランドのバッグを地面に並べたアフリカ系の人たちで埋めつくされていました。ローマでもよく見る光景ですが、ナボリはものすごい数です。駅の付近は日が落ちたら危険がいっぱいという感じがします。
 王宮の近くのカフェでエスプレッソで一息つきます。日本にもエスプレッソを出すお店はありますが、イタリアで飲むエスプレッソはまったく別の飲物です。小さなカップに申し訳程度に入った黒くて濃厚なコーヒー。
 珈琲という字を当てはめたほうがピッタリで、たっぷりのお砂糖を入れて一口飲むと、「んっ?」何かの味に似ていると思ったら、そうコーヒーキャンデイの味です。薄い、何杯でも大ぶりのカップで飲むいつもの私のコーヒーはイタリアの人が飲んだらコーヒーとは気がつかないかもしれないと思いました。香り高いエスプレッソで至福のひと時です。

 ナボリといえば、モツァレラチーズ。日本でもポピュラーになっていますし、水牛のミルクでつくるということもよく知られています。しかし、ナボリのレストランで口にしたモツァレラチーズはそれまで知っていたモツァレラチーズとは違うものでした。私は乳製品が大好きで、牛乳やチーズでこんなに背が伸びたと思っているくらいですから、ありとあらゆるチーズを頂きます。でも、ナボリのレストランで口にしたモツァレラチーズは初めての味わいでした。やはり、その土地で作ったものはその土地で頂くのが一番美味しいということなのでしょう。
 世界三大夜景の一つであるナボリの夜景を堪能し、翌日のカプリ島に備えます。

 

カプリ島への旅

カプリ島への旅 世界のセレブが集うカプリ島はナポリから高速船で1時間ほどの距離です。左側にソレント半島を眺めながら短い船旅を楽しみます。船内はカプリ島に滞在する観光客と日帰りで各地から集まった観光客でほぼ満席です。波が荒い日なのでだめかもしれないと危ぶみながら、カプリ島に到着するや否やグロッタ・アズーラ行きのボート乗り場をめざします。グロッタ・アズーラとは、神秘の青い光で有名な青の洞窟のことです。

 洞窟の入り口に入場用のボートの姿はありません。波が荒く洞窟には入れませんでした。
 そのために遠路はるばるカプリ島までやって来たのにとがっかりしながら、ボートは港に戻ります。

 気分を切り替えてケーブルカーに乗りアナカプリへ、美味しいランチとワインを目指して急勾配を登ります。高台の見晴らしの良いレストランでランチタイム。そこで出てきたのが、「キリストの涙」という名のワインでした。… 続きを読む

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大石 信子

大石 信子

株式会社ミントス 取締役副社長

日本航空株式会社 客室乗員部 国際線客室乗務員・ビジネススクールスチュワーデス課講師・JALコーディネーションサービス(現JALアカデミー)接遇マナーインストラクター・大手金融機関CS指導員を経て2007年に株式会社ミントスを設立、取締役副社長に就任。2008年より城西国際大学観光学部ビジネスマナー講師として教鞭をとる。
接遇マナーインストラクターとして20余年、主に金融機関、介護福祉施設を中心に年間100回近くの研修、講演の依頼がある。
株式会社ミントス http://mintos.jp

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