スポーツで学ぶ イノベーティブな仕事術(第3回)

片山晋呉選手が永久シードを獲得できた理由

2013.03.16 Sat連載バックナンバー

 1973年にツアー制度が始められてから永久シードを獲得できたゴルファーはわずかに7人。2008年の片山晋呉(かたやま しんご)を最後に永久シードは誕生していない。トップ選手の中では、体格的に見劣りする片山が、なぜ、永久シードを獲得できたのであろうか。それは、目標達成に不可欠な幾つかのことを実践したからに他ならない。

 

片山晋呉 永久シード獲得の秘密

片山晋呉 永久シード獲得の秘密 永久シードとは、男子では、ツアー制度が施行された1973年以降、国内ツアーで通算25勝以上あげた者だけに与えられる、日本トーナメントへ永久的に出場できる権利である。過去に、このシードを獲得できた選手は、青木功、尾崎将司、中嶋常幸、杉原輝雄、倉本昌弘、尾崎直道、片山晋呉のわずか7人しかいない。

 ゴルフでは飛距離が大きくモノを言う。必然的にトップ選手には、AON(青木・尾崎・中島)はじめ180cmを超える大型選手が多い。そんな中、十人並みの体格171cmの片山がなぜ、永久シードを獲得することができたのだろうか。

 片山は、2006年に二年連続賞金王を獲得したとき(連続賞金王を獲得した選手は、片山の他にAONしかいない)、「自己分析すれば、この成果は、『スポーツ選手でありながら、体力や運動能力で獲得したものではなく、感じ方や考え方、それによる行動で勝ち取ったもの』」*1と述べている。

 では、片山の言う「感じ方や考え方、それによる行動」とは、一体何であろうか。片山の永久シードへの道程を見るとき、次の6つが浮かび上がる。
(1)願望をはっきりさせる
(2)最終期限を決める
(3)毎日自分に実現を信じ込ませる
(4)詳細の計画を立て実行する
(5)それらを紙に書く
(6)代償を差し出す

 これは、『思考は現実化する』に記された「願望実現のための6箇条」と合致する。『思考は現実化する』は、世界の鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが、ナポレオン・ヒルに依頼し記録された成功哲学である。発明王トーマス・エジソンや自動車のヘンリー・フォードをはじめ、500名以上の成功者の考え方や行動を元に体系化された成功への指南書である。

 

片山流 実践 願望実現のための6箇条

片山流 実践 願望実現のための6箇条 片山の実践ぶりを確認してみよう。

(1)願望をはっきりさせる
永久シード獲得には国内ツアーで25勝しなければならない。願望は数値化され、はっきりとした目標として掲げられていた。

(2)最終期限を決める
片山はその期限を35歳と定めた。

(3)毎日自分に実現を信じ込ませる
片山は、寝室の天井に「25」という数字を書いた紙を貼り付け、毎朝、毎晩、その紙に書かれた「25」をいう数字を眺めながら、髪の毛の先から足の指の爪の先まで、全身「俺は25勝する」という魂で埋め尽くした。

(4)詳細な計画を立て実行する
永久シードに到達するには、賞金王を獲得できる選手でなければならい。賞金王になるためには、毎シーズン賞金王を争えるレベルの集団にいなければならない。「賞金王を争える技術、戦略、… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

ライター・キャリア&ITコンサルタント

IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行なう。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。
https://www.facebook.com/mineeii

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter