新任営業部長・榊原は業務改革をどのように進めたか(第7回)

変革をめざす活動は組織内に浸透するのか

2013.10.16 Wed連載バックナンバー

 会社が市場から取り残され、このままではまずいと考えているが、変革に向けた第一歩を踏み出すためのヒントが欲しい方、必見。
 創業38年、従業員数300名の中堅企業で突然営業部を率いることになった新人営業部長・榊原が取り組んだ12ステップの業務改革を紹介する。
 ステップ7では、プロジェクトメンバーが一丸となって作り上げた営業プロセスを、第二営業部全体に共有する。しかし、これがきっかけとなり思わぬ波紋が巻き起こる。


顧客の課題解決パートナーになるための営業プロセス

 「顧客の課題解決パートナーになるために、営業活動のプロセス全般を見直そう」。第二回目のプロジェクト合宿において、プロジェクトメンバーの館林のぼやきから生まれたアイデアは、志を同じくする業務改善プロジェクトのメンバーにとって明確な取り組みの方向性となった。
 最終的には顧客が市場で打ち勝っていくための課題解決パートナーになることを目指すわけだが、それをスローガンとして叫ぶだけでは実現は不可能だ。今現在、顧客からの発注に対して迅速に応え、効率的に案件を処理することが仕事だと考えている第二営業部のメンバーが、将来、顧客が抱える業務課題や新製品の開発に資するような「課題解決のパートナー」になるには、途方もない努力が求められるだろう、榊原はそう考える。
 「課題解決のパートナーになる」という部分だけ聞いた社員は、おそらくは「また美辞麗句を繰り返している」と思うはずだ。絵に描いた餅で終わらせないために、第二営業部の営業担当者が顧客に対してどんなアクションをするのか、具体性をもった標準的な営業プロセスを持たねばならない。
 プロジェクトメンバーが初期仮説として策定した「聞いて、考えて、書く」という課題解決パートナーの基本動作も、これから明確化していく営業プロセスの一部を構成するものになるだろう。
 当然、課題解決パートナーの基本動作を実践するためには、事前に顧客との間に一定の信頼関係を醸成する必要がある。つまりは、信頼関係の醸成という行動が課題解決パートナーの基本動作の前工程に入らなければならない。

 合宿以降、榊原をはじめとしたプロジェクトのメンバーは、営業活動を終えてオフィスに戻ってくると、会議室に集合し、夜遅くまで自らが気付いたこの課題解決パートナーになるための営業プロセス作りに熱中した。それから約2週間が経ち、議論に議論を重ねた「顧客の課題解決パートナーになる」というビジョンを実現するための新たな営業プロセスが生まれた。

 

伸び悩む第二営業部の業績

 新しい営業プロセスが精査できた頃には、すでに12月初旬、季節は真冬の様相を呈していた。寒さが何よりも苦手な榊原にとっては嫌な季節だった。
 しかも、今年は第二営業部の営業成績がB社の大型案件の失注により危機的な状況になっていることで、毎日胃が痛い日々を送っている。今朝、家内の麻子から最近夜中にうなされているわよと指摘され、我ながら苦笑するほかない榊原だった。… 続きを読む

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NTTラーニングシステムズ

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人材コンサルティング部 コンサルティングユニット

「業務変革のスモールスターター」を標榜し、今までの仕事のやり方を変え、自走できる組織作りを支援。事業開始から15周年を迎え、これまでに聞いたお客様の業務変革・人材育成上の課題は2万件を超える。本連載では、弊社が変革をご支援した複数の企業の取り組み事例を組み合わせ、わかりやすい小説仕立てのストーリーを構築した。

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