新任営業部長・榊原は業務改革をどのように進めたか(第3回)

変革のコアチームを組織、第一歩を踏み出す

2013.08.12 Mon連載バックナンバー

 会社が市場から取り残され、このままではまずいと考えているが、変革に向けた第一歩を踏み出すためのヒントが欲しい方、必見。創業38年、従業員数300名の中堅企業で突然営業部を率いることになった新人営業部長・榊原が取り組んだ12ステップの業務改革を紹介する。
 ステップ3では、榊原がチーム作りを開始する。危機感の薄い担当者たちを変革の流れに巻き込むことはできるのか。

変革のコアチームを組織、第一歩を踏み出す

 

思わぬ横槍

 営業本部長である高橋への問題提起は手ごたえの感じられないものに終わった。だが、曙テクノの企業風土を考えれば、榊原にとっては自身の進めようとしている取り組みに待ったがかからなかっただけでもありがたいと思うほかなかった。

 ところが、思わぬ所から横槍が入った。それは元上司の取締役管理本部長の土居が榊原の上申に対して憤慨しているという情報だった。どうやら高橋が榊原からの問題提起を土居に伝えた様だ。
 土居は榊原の元上司で、管理本部時代も社内の問題を提起し、解決策を上申する榊原に対して良い印象を持っていなかった。土居は、高橋から話を聞くと「榊原はまだ分かっていないのか」と怒りをあらわにしたらしい。
 榊原にしてみれば、これをどう理解すればよいのかよくわからなかった。しかし、曙テクノの企業風土では部下が上司に問題提起をするなどもってのほかで、ましてや土居の目から見ると、榊原自身の力不足を棚に上げて組織のせいにしているとうことになるらしい。
 幸いにもそういった噂を聞いただけで、その後実際に土居から榊原に対して直接ストップがかかることはなく事なきを得た。だが、いずれ何らかの圧力が周囲からかかることを想定しておかねばならないだろう。

 

リーダーとして自身の考えを形にしてみる

 榊原は、第二営業部の仕事の進め方を変える必要性を強く感じていた。現状は、既存の顧客との関係を当たり前のように捉え、その顧客の発注処理を粛々と処理するだけの営業部である。このままでは今期の高い目標をクリアすることはもちろんのこと、年々厳しさを増す市場において事業を継続することは相当難しい。

 まず手始めに、自身の考えを資料にまとめることにした。営業リーダーに煙たがられながらも顧客訪問への同行を強化している今、同時並行で作業を進めるのは大変だったが、自身の考えをラフにでも形にしておかねばならないと感じていた。
 先日実施した上期の振り返り会議におけるメンバーの反発を思うと、ある程度の説得力を持った資料でなければならない。今の第二営業部が抱える問題を洗い出すと、意外と分量が多くなりそうだ。

 

リーダーの考えをチームに伝える

 数日要したが、榊原の考えは概ねまとまった。といっても、営業を半年間かじった程度の専門性でまとめた資料だけに、リーダー格のメンバーの反応が心配だった。だが、もうすでに下期に入っている。榊原にとっては待ったなしという状況だった。… 続きを読む

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NTTラーニングシステムズ

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人材コンサルティング部 コンサルティングユニット

「業務変革のスモールスターター」を標榜し、今までの仕事のやり方を変え、自走できる組織作りを支援。事業開始から15周年を迎え、これまでに聞いたお客様の業務変革・人材育成上の課題は2万件を超える。本連載では、弊社が変革をご支援した複数の企業の取り組み事例を組み合わせ、わかりやすい小説仕立てのストーリーを構築した。

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