資金調達力を強化する方法(第4回)

資金調達ができないときはリスケジュールを考える

2012.08.28 Tue連載バックナンバー

 これまでの連載では3回にわたって、資金調達力を強化する方法について紹介してきました。しかし、業績の悪化などを理由に、金融機関から融資を断られることもあります。もしみなさんの会社が、資金繰りに困っているのに、金融機関から資金調達ができなかった場合は、リスケジュールを検討してみてください。このリスケジュール(以下、リスケ)とは簡単にいうと、金融機関の合意を得たうえで、当初の返済条件を一定期間変更してもらうことです。具体的には、毎月の返済額を減額あるいはストップしてもらう、利息の支払いを猶予または一部免除してもらうことになります。今回は、このリスケのメリットやデメリット、注意点などを紹介します。

 

リスケを検討するタイミング

 会社の業績が悪化して、危機的な状態になってしまっているにも関わらず、金融機関から融資はしばらく無理だといわれてしまったら、リスケを検討する必要があります。その状態とは以下のようなものです。

・社長の仕事の大半が資金繰りに追われている
・数ヵ月先の資金繰りが見通せない
・現預金が月商の1ヵ月分もない

 このリスケですが、現在は応じられやすくなっています。なぜなら、平成21年12月に中小企業金融円滑化法(以下、金融円滑化法)が施行されたからです。この金融円滑化法は金融機関に対し「企業がリスケを申し込んできた場合、できる限り応じるように努める」ことを求めています。また、臨時措置のため期限が平成25年3月末となっているので、今はリスケが応じられやすい環境という訳です(表1)。

表1 金融機関における金融円滑化法の施行状況
(クリックしてPDFダウンロード)

表1 金融機関における金融円滑化法の施行状況

参考:中小企業金融円滑化法(正式名、中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律)

 

 メリットとデメリット

 この中小企業金融円滑化法ですが、メリットとデメリットがあります。メリットとしては、以下の2つを挙げられます。

(1)資金繰りが楽になります
一定期間(一般的には6ヵ月から1年)は返済額を減らすことができるため、資金の流出を抑え資金繰りが改善されます。

(2)社長が資金繰りの悩みから解放され、本業に集中することができます
資金繰りのことで時間を取られ、本業に集中できなくなっている社長もいるのではないでしょうか。リスケにより一定期間ではあっても、本業に集中し業績回復に専念することができます。

 一方のデメリットは、新たな資金調達が難しくなることです。リスケ中は新規の融資を受けることが難しくなります。金融機関としては極めて慎重な対応になりますから、リスケ中は原則不可能と考えた方がいいでしょう。

 

交渉の注意点

 では実際、交渉をする際にはどこに気を付ければいいのでしょうか。それには3つの注意点が挙げられます。

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瀬野 正博

瀬野 正博

有限会社エム・エヌ・コンサル 代表取締役
銀行融資コンサルタント

1995年、地方銀行に入行し、企業向けの融資を担当。1999年、税理士事務所に入社。
法人担当として法人税に関することだけでなく、銀行融資取引に関するサポートも行う。2005年、有限会社エム・エヌ・コンサルを設立。

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