業界別IT活用法(金融業界【課題編】)

激動の金融業界におけるIT改革の必要性

2014.01.20 Mon連載バックナンバー

 日本の金融界、とりわけ「銀行業」を中心とした金融ビジネスはバブル崩壊の1990年以降、再編の波を幾度も受けることとなった。特に、1998年に金融持株会社が解禁されたことで、銀行の統合・再編の動きは大きく加速し現在に至っている。今回は日本の経済基盤を支える金融業界について、その動向を探るとともに、ビジネスの屋台骨となるITの領域で取り組むべき課題・テーマについて言及したい。

 

激変する金融業界の動向

○金融業界はこれまで多くの変化に直面
 1996年の金融ビックバン以降、日本の金融業界はさまざまな変化に直面してきた。例えば、バブル崩壊によって生じた多額の不良債権は、金融持株会社の解禁とともに誕生した「メガバンク」の中で処理が進められた。その後もITバブルの崩壊やリーマンショックによる世界的金融危機など、多くの外的変化・危機に見舞われてきた。また規制改革によって、銀行・証券・保険の相互参入や異業種からの銀行業への参入が進むことに加え、金融グループ内での再編成、コングロマリット化もさらに進展していくことが予想される。

○今後も続く再編の動き?
 上記のように「メガバンク化」が進んだ結果、1989年末時点で 13行存在した都市銀行は、2013年時点では4行に集約された。一方、地域銀行については、第二地方銀行が、1989年末の68行から41行と、約4割程度の集約減。地方銀行は1989年末から64行で変わっていない状況である(2013年7月現在)。この地方銀行については、歴史的に「1県1行」、地元での長年にわたる取引や関係構築を通じた存在となっているものの、地方経済の今後の動向によって地域経済単位の再編や共同事業化などの動きの可能性は否定できない。

 ○規制緩和による他業界からの参入
 こうした再編や変化の動きを加速化させる要因として大きいのが「他業界からの金融業への参入」だろう。代表的な例としては、セブン銀行やイオン銀行などの「小売業界からの参入」が挙げられる。また、ソニー銀行などネットを活用した新しい銀行形態も出現しており、その動きは楽天などのインターネット企業へも波及する動きが見えてきている。
 さらに、… 続きを読む

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水上 晃

水上 晃

デロイト トーマツコンサルティング株式会社 シニアマネジャー

デロイト トーマツコンサルティングTMTE(ハイテク・メディア・通信・エレクトロニクス)ユニット所属。大手鉄道会社経営企画部、外資系コンサルティング会社を経てデロイトトーマツコンサルティング株式会社に参画。通信キャリア、ハイテク領域に対して事業戦略立案、情報システム導入戦略と導入支援、大規模BPRなどのプロジェクト経験を豊富に有する。ITを活用した業界変革・業界融合のテーマを中心にコンサルティング活動を展開。昨今は「JCC(ジャパンクラウドコンソーシアム)M2MビックデータWG」の事務局も務める。

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