業界別IT活用法(医療・介護業界【解決編】)

医療・介護業界の課題を解決する「3つのIT施策」

2014.02.24 Mon連載バックナンバー

 前回は国内の医療・介護業界の状況と今後求められるITの課題について記載した。解決編では、各テーマに対する具体的施策について、現場で取り組まれている事例も踏まえて述べていきたい。

 

医療介護施設業界のITの課題と施策の全体像

 課題編では、医療介護施設が取り組むべきITの課題を述べたが、それに対応する施策のキーコンセプトについては以下の3点が挙げられる。

【1】情報共有・見える化の促進
【2】クラウドによる情報連携の加速化
【3】スマートデバイス活用によるスムーズなオペレーション

【1】情報共有・見える化の促進

 患者の待ち時間解消や施設の稼働率など、病院・介護施設の運営の最適化には情報の見える化は必須事項と言える。

 具体的には、予約システムによる待ち時間解消、手術室の予約状況の院内共有による稼働率向上などの取り組みが挙げられる。

 また、病院の情報を速やかに共有することで効率化と品質を維持させるための取り組みなども見られる。具体的には、ポータルなどの情報共有の仕組みを導入する取り組みが存在する。

【2】クラウドによる情報連携の加速化

 地域医療連携などの取り組みが進む背景には、2010年2月1日に厚生労働省医政局長・厚生労働省保険局長が通知した「『診療録等の保存を行う場所について』の一部改正について」がある。これにより、「医療クラウド」といった発想での「クラウドサービス」に多くのベンダーが参入。その流れも後押しとなり、情報共有の仕組み作りが進んでいる。

 具体的には、電子カルテ情報の共有、かかりつけ医への逆紹介、画像共有などの機能を活用して、施設間を横断した効率化と医療品質向上の取り組みが進んでいる。

【3】スマートデバイスによるスムーズなオペレーション

 医療業界でIT化が進まなかった大きな要因として、PCというデバイスが医療や介護の実際の作業現場にマッチしていなかった点があると思われる。カルテについてもキーボード入力の手間から導入が進まなかったケースや、起動時間が業務のスピードとマッチしていないことなども原因とみられる。

 しかしながら昨今、タブレットやスマートデバイスの登場により、これまで進みづらかった医療・介護業界の電子化が一気に進む気配がみられる。

 以下、具体的な解決事例を見ていく。… 続きを読む

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水上 晃

水上 晃

デロイト トーマツコンサルティング株式会社 シニアマネジャー

デロイト トーマツコンサルティングTMTE(ハイテク・メディア・通信・エレクトロニクス)ユニット所属。大手鉄道会社経営企画部、外資系コンサルティング会社を経てデロイトトーマツコンサルティング株式会社に参画。通信キャリア、ハイテク領域に対して事業戦略立案、情報システム導入戦略と導入支援、大規模BPRなどのプロジェクト経験を豊富に有する。ITを活用した業界変革・業界融合のテーマを中心にコンサルティング活動を展開。昨今は「JCC(ジャパンクラウドコンソーシアム)M2MビックデータWG」の事務局も務める。

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