業界別IT活用法(小売・流通業界【課題編】)

少子高齢化する国内小売産業の限界と海外展開の意義

2013.10.16 Wed連載バックナンバー

 我が国の小売・流通業界は、国内の人口減少・店舗数の飽和状況による競争激化の様相を呈する中で、各企業とも今後の市場を成長する新興市場に求める傾向となっている。加えて、ECの台頭によるリアル店舗とECとの新たな競争も激しさを増す中、ビジネスに勝ち抜くためにはどのようなIT活用が有効なのだろうか。ここではまず、小売・流通業界における「IT分野の課題」を検証する。

 

小売業界を取り巻く、国内競争環境の変化とビジネス要件とは

 周知のとおり、我が国の国内人口は減少の一途をたどりつつあり、小売業の主力購買層となる「15歳から64歳の人口」は15年後の2028年には7000万人を下回るとされる。その結果、国内の消費財需要は確実に影響を受け、2050年には2000年対比で約3割の縮小が予想されている。

我が国流通業の現状と 取組・課題について(出典:「第1回 産業構造審議会 流通部会 審議用参考資料」)


 こうした消費者の年齢構成の変化や、情報流通量の増加に伴い、「消費財」に対するニーズはますます多様化が進んでいる。そうしたトレンドの中、従来型の定番販売やストック販売を得意とする「店舗型リテール」ではなく、多品種少量のニーズに対応可能な「EC市場」の成長がとどまることを知らない。

 一方、国内での市場の鈍化と対比して新興国、特にASEAN諸国の成長は著しい。その成長する市場をターゲットに大手小売業は海外進出を積極的に行い始めている。

我が国流通業の現状と 取組・課題について(出典:「第1回 産業構造審議会 流通部会 審議用参考資料」)


 上記のことから、現在、小売業界が直面するビジネス要件としては、以下の3つが挙げられるだろう。… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

関連キーワード

水上 晃

水上 晃

デロイト トーマツコンサルティング株式会社 シニアマネジャー

デロイト トーマツコンサルティングTMTE(ハイテク・メディア・通信・エレクトロニクス)ユニット所属。大手鉄道会社経営企画部、外資系コンサルティング会社を経てデロイトトーマツコンサルティング株式会社に参画。通信キャリア、ハイテク領域に対して事業戦略立案、情報システム導入戦略と導入支援、大規模BPRなどのプロジェクト経験を豊富に有する。ITを活用した業界変革・業界融合のテーマを中心にコンサルティング活動を展開。昨今は「JCC(ジャパンクラウドコンソーシアム)M2MビックデータWG」の事務局も務める。

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter