これだけは知っておくべきセクハラ・パワハラ対策(第24回)

ハラスメントは、しない・させない・ゆるさない

2013.11.28 Thu連載バックナンバー

 職場のハラスメントを防ぐには、自分が“しない”、相手に“させない”、職場全体で“許さない”ことが大切です。そのためには、ハラスメントについて正しい理解を得ること、そして自分自身の行動を振り返り、改善していくための手がかりを得ることが必要であり、その手段となる研修は、ハラスメント防止において重要な取り組みの一つです。今回は、研修をより効果的に行うためのポイントについて、お伝えしたいと思います。

 

ある企業の取り組み

ハラスメントは、しない・させない・ゆるさない A社では、昨年から課長のマネジメント研修の中で、ハラスメント防止研修を1時間ほど行うことになりました。その研修では、人事課長が講師となって、セクハラ・パワハラとは何か、企業責任とリスク、ハラスメントを防ぐ管理職の役割、などについて説明しました。受講者のアンケートには、「セクハラやパワハラの問題の大きさがわかった」「今後のマネジメントに生かしたい」という前向きな意見がある一方で、「ハラスメントがダメだということはわかっている」、「自分はハラスメントをしないと思う」など、自分はハラスメントとは関係ないと言わんばかりの感想も多く見られたので、人事課長は他人事のように捉えている受講者への研修効果に疑問を抱き、また、研修内容にもっと工夫が必要だったと感じていました。

 その数か月後、社内の相談窓口に「付き合ってほしいとしつこくセクハラされているので解決してほしい」という相談が入ってきました。被害者から話を聞くと、加害者は研修で「自分はハラスメントをしないと思う」と回答した課長でした。研修を実施した後の出来事であり、人事課長はがっかりしてしまいました。

 研修は企業がハラスメント防止を進める上で有効な方法です。ですが、最近はこの事例のように、セクハラやパワハラの言葉が定着していることもあって、研修を企画しても「もうわかっている。ハラスメントをやるなって話でしょ」と受講者が仕方なく研修に参加するケースも少なくありません。それでは、予算と時間を使っても研修効果は低くなってしまいます。では、どのよう内容や方法で進めていけばよいのでしょう。次の二つの方法のうちでは、どちらがより効果的だと思いますか。

1.裁判例や事例を用いて、自分にもリスクがあることを強く認識させる
2.講義だけでなく、受講者自身に考えさせる演習を用いて理解を深める… 続きを読む

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連載記事

ハラスメントは、しない・させない・ゆるさない
古谷 紀子

古谷 紀子

株式会社クオレ・シー・キューブ 取締役

クオレ・シー・キューブ:メンタルヘルスやハラスメント問題の相談、研修を行うコンサルティング会社。「パワーハラスメント」という言葉と定義を創り、特にハラスメント対策の専門機関として、広く知られている。

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