これだけは知っておくべきセクハラ・パワハラ対策(第18回)

これってパワハラ?~パワハラをなくす第一歩

2013.08.29 Thu連載バックナンバー

 前回、職場のパワーハラスメント(パワハラ)を防止するために、企業・経営トップは何をすべきかについてお伝えしました。ですが、パワハラのない働きやすい職場は企業や経営トップだけでは作れません。パワハラは上司と部下の間で起こるだけでなく、同僚同士、正社員と派遣社員の間で起きることもあります。つまり、職場の誰もが被害者にも加害者にもなる可能性があるということです。職場のパワハラをなくすには、一人ひとりがパワハラとは何かを正しく理解し、職場内に生じないように気をつける必要があります。

 厚労省が示したパワハラの定義や言動については第14回「知ってますか?厚労省が初めて示したパワハラの定義」で説明しましたが、今回は、パワハラの判断基準について事例を通して確認しておきたいと思います。

 

パワハラの具体例

【事例1】
 会議で上司と違う意見を述べたところ、上司は「君は私の言うことが聞けないのか」と機嫌を損ねてしまった。その後、何かにつけ「君はこの職場には合わないようだね」とか「イヤならやめてもらって結構」と言われるようになった。

【事例2】
パワハラの具体例 先輩に嫌われているようで、口をきいてくれず、目も合わせてくれない。仕事の指示もすべてメールで行われ、会話することはない。他の同僚や後輩とはよく食事に行っているが、私は誘われたことがない。会議があることを私一人教えてもらえなかったこともあった。仕事は嫌いではないが、こんな状態がずっと続くかと思うと気が重い。

【事例3】
 上司はミスをすると「バカヤロー、何やってんだ」と場所を選ばず怒鳴りつける。先日は、上司の席の横に立たされたまま、2時間近く説教をされた。自分だけが怒鳴られているわけではないので、あまり気にしないよう自分に言い聞かせているのだが、最近、あまり眠れなくなり、食欲もなくなってきた。

 パワハラかどうかの判断基準は、『業務の適正な範囲かどうか』が重要なポイントです。どこまでが適正な範囲かは、業界や組織の特質・伝統・人間関係などによっても左右され、その行為が業務上必要か、適切かは「客観的に見て」判断する必要があります。事例のように、退職を促したり脅したりするような言動、無視をする、あるいは情報を与えないこと、皆の前で大声で叱るなど、能力を否定したり、人格を傷つけたりする行為は、業務において必要、適切であるとは言えず、パワハラと判断される可能性が高くなります。

ここで質問です。
 次の例はパワハラに当たるでしょうか。実際には、下記のような少ない情報だけでパワハラかどうかを判定できるわけではありませんが、自分で状況をイメージしながら、なぜパワハラ(あるいはパワハラではない)と言えるのか、さらに、何が問題なのかを考えてみてください。

1.他の社員は「~さん」と呼んでいるが、自分だけ「おまえ」とか「おいそこの」などと呼ばれる。
2.自分は商品企画をしたいと思っているが、上司はやらせてくれず、顧客からのクレームを聞く嫌な役ばかり押し付けてくる。… 続きを読む

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ハラスメントは、しない・させない・ゆるさない
古谷 紀子

古谷 紀子

株式会社クオレ・シー・キューブ 取締役

クオレ・シー・キューブ:メンタルヘルスやハラスメント問題の相談、研修を行うコンサルティング会社。「パワーハラスメント」という言葉と定義を創り、特にハラスメント対策の専門機関として、広く知られている。

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