これだけは知っておくべきセクハラ・パワハラ対策(第17回)

トップがつくるパワハラ防止の組織風土

2013.08.15 Thu連載バックナンバー

 これまで、パワハラに対する厚生労働省の提言や、法的責任、企業のダメージ等お伝えしてきました。では、パワハラを防止するにはどうすればいいのでしょうか。

 パワハラ対策はその企業の取り組み段階や問題の発生状況などによって、さまざまに考えられますが、対策を推進するにあたって特に重要なのは経営トップの問題意識と姿勢です。厚生労働省の「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」では、トップマネジメントへの期待、上司への期待、職場一人一人への期待が示されています。今回はその中の「トップマネジメントへの期待」をふまえ、トップマネジメントの立場にある人にどのような行動や取り組みが求められるのか説明したいと思います。

トップマネジメントへの期待
組織のトップマネジメントの立場にある方には、職場のパワーハラスメントは組織の活力を削ぐものであることを意識し、こうした問題が生じない組織文化を育てていくことを求めたい。 そのためには、自らが範を示しながら、その姿勢を明確に示すなどの取組を行うべきである。
(厚生労働省『職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言』より)

 

社内でパワハラを起こさないために

1. まず、企業トップが社内に向けて「パワハラはしない、させない、許さない」というメッセージを明確に示しましょう

社内でパワハラを起こさないために 従業員全員と向かい合える規模の企業なら、期初などの折に触れ、社長から直接メッセージを伝えて本気の姿勢を伝えていきましょう。ですが、従業員が数百人以上の企業であれば、社長が直接の発信をするのは難しいでしょうから、社内の広報誌やWEBなどのコミュニケーションツールを利用して、社長自身の言葉でパワハラ防止に向けての考えを伝えましょう。ハラスメントは企業のコンプライアンスに関わる問題であり、今や社会的責任を果たす上ではとても重要な問題です。こういった社会の要請に応えられない企業は、お客様だけでなく全てのステークホルダーの信頼を裏切り、経営的なダメージを負いかねないことをトップ自身の言葉で伝えることが大切です。トップがメッセージを発信することで、経営幹部や管理職など加害者となりやすい層に対し、パワハラ防止の方針と対策を徹底させやすくなります。
 また、この意思表明は一度で終わってはいけません。人権週間など時期を決めて継続的に発信し、社内にハラスメント防止の意識を定着させていく努力を続けましょう。

 

2. ハラスメント防止規程などを策定し、社内での防止や措置に必要なルールを明確にしましょう

 何がパワハラにあたるのか、適正な業務上の指示・指導との線引きについて、認識を共有することが必要です。

 

3. 社内の相談体制を整えましょう

 相談を受ける窓口を設置し、当事者や周囲の第三者も含めて調査がきちんと行われる体制を築きましょう。企業によっては、相談対応ができる人員を配置することが難しい場合があるかもしれませんが、相談窓口を社外に委嘱することも可能です。専門家の対応によって従業員の本音を引き出すことができ、問題の早期解決をはかり、相談の公正さを保つための有効な方法の一つにもなります。

 

4. 不公平な処分や計らいをしないことを徹底しましょう… 続きを読む

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連載記事

ハラスメントは、しない・させない・ゆるさない
古谷 紀子

古谷 紀子

株式会社クオレ・シー・キューブ 取締役

クオレ・シー・キューブ:メンタルヘルスやハラスメント問題の相談、研修を行うコンサルティング会社。「パワーハラスメント」という言葉と定義を創り、特にハラスメント対策の専門機関として、広く知られている。

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