これだけは知っておくべきセクハラ・パワハラ対策(第13回)

パワハラ相談が過去最多に

2013.06.06 Thu連載バックナンバー

増え続けるパワハラ問題

 先日の5月31日、厚生労働省から平成24年度個別労働紛争解決制度施行状況が公表されました。個別労働紛争解決制度とは、労働関係についての個々の労働者と事業主との間の紛争を円満に解決するための制度で、労働局等で相談を受け付けています。24年度の相談内容で最も多かったのが、職場のパワーハラスメントを含む『いじめ・嫌がらせ』に関する相談で、前年度より5,700件以上増え、過去最多の5万1,670件となりました。
 今、職場のパワーハラスメントがとても大きな問題となっています。弊社が「パワーハラスメント(パワハラ)」という言葉を創ったのは2001年。この10年あまりの期間で、パワハラ問題に関わる社会状況が大きく変化しています。
 今号より、パワハラ問題について解説していきます。まずは事例をみてみましょう。

 

事例

事例 ここは某企業のITビジネス推進部。IT知識が豊富な20代の社員が多く活躍している。この部署に、2か月前、営業部から40代のA課長が異動してきた。しかし、A課長は対面での営業経験が長く、パソコンは問題なく使えるものの、最新のIT知識を必要とする業務に勉強が追いつかず、部下に適切なアドバイスが出来ない日が続いた。最初は20代の部下たちも評判の課長と聞いて敬意を示していたが、A課長への説明に時間がとられることもあり、20代の社員BさんはA課長とのやりとりにイライラするようになっていった。ある日、A課長からの質問に、Bさんは「課長、こんなIT知識は高校生だって知っていますよ。課長に足をひっぱられるようではやってられませんよ。これからは自分たちだけでやらせてもらいます。」と言うと、その後Bさんは他の20代の社員と勝手に仕事を進めるようになり、A課長には介入させないようにした。
 そんな状況をおかしいと思ったCさんは、同僚であるBさんに「やっぱり、課長を無視するのはおかしいんじゃないか」と相談したところ、Bさんから「君は優等生だからな」と言われ、まともに取り合ってもらえなかった。困ったCさんは、別の同僚にも同じ相談をしたが「忙しい」と無視された。その後、Cさんが挨拶や声掛けをしてもBさんや同僚たちは返事をしなくなり、Cさんは同僚の中で孤立してしまい、精神的に追い込まれていった。

 この事例には、どのようなパワハラが存在しているといえるでしょうか?… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

連載記事

ハラスメントは、しない・させない・ゆるさない
古谷 紀子

古谷 紀子

株式会社クオレ・シー・キューブ 取締役

クオレ・シー・キューブ:メンタルヘルスやハラスメント問題の相談、研修を行うコンサルティング会社。「パワーハラスメント」という言葉と定義を創り、特にハラスメント対策の専門機関として、広く知られている。

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter