これだけは知っておくべきセクハラ・パワハラ対策(第11回)

「見て見ぬふり」からの脱却

2013.05.09 Thu連載バックナンバー

セクハラ?と思われる言動

 Lさん(女性)はコールセンターに勤務している28歳。職場の同僚は殆どが女性で、昼休みなどは雑談で盛り上がる。話したくないプライベートなことを詮索されたり、その場にいない人が話題になることもあり、そういうときは少しイヤな感じもするが、話し手に悪気はなさそうで、こちらの気持ちにも気づいていないようなので、仕方ない、と割り切って付き合っている。
 ある日、同僚のMさんの服装を見て、先輩のNさんが「今日、オシャレじゃない?デートなの?」と声をかけた。Mさんは、恥ずかしそうに「はあ、まあ、、、」とあいまいに返事をしたら、Nさんは「へー、彼氏がいるんだ。どんな人?何の仕事をしているの?」と矢継ぎ早に質問をし始めた。Mさんが口ごもっていると、周囲の同僚が「メーカー勤務の30歳、、、だったよね?」「Mさん、3ヶ月前に別れたって言っていたのに、もう新しい彼氏がいるんですよ」などと話しだし、Mさんは困ったような表情になった。その後、Nさんを中心に、Mさんの新しい彼氏やこれまでのデートの話題で盛り上がり、昼休みの時間は終わった。

セクハラ?と思われる言動 翌日の昼休みは、昨日にもまして、Mさんが話題の的となった。Nさんを筆頭に、どこに行ったのか、から始まって、そもそも付き合うきっかけは何だったのか、以前の彼氏とは何故別れたのか、などといった質問が行き交い、Mさんは昨日と同様、困ったような顔をして、あいまいに返事をしていた。ただ、周囲から見ていても、Nさんはちょっとしつこく、「Mさんって意外と肉食系なんだ」「これでようやく落ち着けて、結婚退職ってこともあるかもねぇ」とからかいはじめると、Mさんが不快な表情を示した。Nさんはそれを見て、笑いながら「冗談、冗談、そんな怖い顔しないでよ」と言って、気にとめていない様子で話を続け、結局Mさんも何も言わずにその場に加わっていた。Lさんは、Mさんの気持ちを考えるとこれ以上この話題を続けないほうがいいと思ったが、何も言うことができず、話を聞き続けるしかなかった。

 セクハラは、受け手が不快に感じたかどうかが判断基準であるため、この事例でMさんがNさんの言動を不快に感じていれば、セクハラに該当します。ただ、Nさんは悪気があるわけではなく、面白おかしく話をしていただけ、と思っていて自分の言動がセクハラ行為にあたるとは全く認識していない可能性があります。このように行為者が認識していない場合、どうしたら、セクハラ行為をなくすことができるでしょう?

 前回、行為者に悪気がなく、無意識に起こしているセクハラについては、被害者が勇気を持って「やめてください」と率直に伝えることが、セクハラ被害の深刻化を防ぎ、問題解決につながる方法の一つであるとお伝えしました。
 ただ、被害者がNO!と伝えるのは難しいこともあります。特に、周囲の人が誰もその行為について発言しなければ、被害者は、その場にいる人全員が行為者の言動を問題だと思っていない、または同意見であるように感じるので、余計言い出しにくくなります。ただ、この状況を放置していると、被害者は、職場に居辛いと感じたり、仕事を遂行することにも影響がでる可能性があります。行為者の言動もエスカレートしていくかもしれません。

 この事例で、あなたがその場に居合わせたLさんだったとしたら、何ができるでしょうか?… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

連載記事

ハラスメントは、しない・させない・ゆるさない
古谷 紀子

古谷 紀子

株式会社クオレ・シー・キューブ 取締役

クオレ・シー・キューブ:メンタルヘルスやハラスメント問題の相談、研修を行うコンサルティング会社。「パワーハラスメント」という言葉と定義を創り、特にハラスメント対策の専門機関として、広く知られている。

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter