これだけは知っておくべきセクハラ・パワハラ対策(第8回)

セクハラ問題の背景にあるもの

2013.03.22 Fri連載バックナンバー

 今回は、セクハラ問題の背景にある要因の一つをお伝えしたいと思います。

<事例1>
 ある企業の営業部。マネージャー以下、男性4名、女性1名の営業担当者が働いている。ある日の午前中、男性営業のGさんが「今月はどうしても目標を達成できそうにありません」とマネージャーのところへ相談に来た。マネージャーはしばらく話を聞いていたが、Gさんが諦めたと思い、「男のくせに情けない。先日の大手顧客だって女性のHさんには任せられないから、君に担当させたんだぞ。男だったら何とかしろよ」とハッパをかけた。Gさんは「男だって無理な時もあるのに」と思ったが何も言えなかった。
 午後、営業部に取引先がやってきた。マネージャーは、女性営業のHさんに「この資料を至急コピーして会議室に持ってきて。あと、お茶を頼むよ」と依頼した。するとHさんは、「コピーやお茶出しとか、どうして私ばかりに言うんですか」と少しムッとした様子で答えた。その様子を見たマネージャーは、「女の子なんだから、これくらいのこと、ニッコリ笑って引き受けてくれよ」と言って立ち去った。Hさんはコピーをしながら、「これからも、こういうことは私がやらされるのかな」と憂鬱な気持ちになった。

 

<事例2>
セクハラ問題の背景にある要因 Iさん(女性)は営業として10年近く仕事をした後、自ら異動を希望して経理グループへ配転された。このグループは女性が多く家庭的な雰囲気があり、当初は居心地良く感じていた。営業部門も同じフロアにあり、経理部門の女性達は、男性営業メンバーから「この資料を送っておいて」、「文房具の発注を頼む」、「会議があるからコーヒー淹れてくれるかな」など、本来であれば自分でやるべきことを依頼されているにもかかわらず、文句一つ言わず、時には残業をして応じていた。女性達は男性から「よく気がついて女らしいね」とか、「こんな女性と結婚したいな」などと言われていてまんざらでもない様子だったが、Iさんは、それで残業が増えることはおかしいと思い、「これって私たちの業務ではないと思う。男性に自分達でやるように言いましょう」と同僚に言ってみた。ところが、同僚からは「こういうことは女性がやることになっているのよ」と言われ、以来半年、Iさんは女性社員の中で浮いた存在となり、最近は「営業から来たからって偉そうに…」という陰口まで聞こえてくるに至った。

 これらの事例には、「男らしさ・女らしさ」「男は~べき・女は~べき」といった、性的役割意識(ジェンダーの意識)が現れています。このような意識は、様々な職場でみられるものですが、みなさんの職場はいかがでしょうか。

 ここで質問です。このようなジェンダーの意識について、どちらの考え方が正しいでしょうか?
1.職場において、男女の違いによって役割や処遇に違いがあることは問題である
2.嫌がる人がいなければ、問題ない … 続きを読む

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ハラスメントは、しない・させない・ゆるさない
古谷 紀子

古谷 紀子

株式会社クオレ・シー・キューブ 取締役

クオレ・シー・キューブ:メンタルヘルスやハラスメント問題の相談、研修を行うコンサルティング会社。「パワーハラスメント」という言葉と定義を創り、特にハラスメント対策の専門機関として、広く知られている。

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