これだけは知っておくべきセクハラ・パワハラ対策 (第7回)

あなたがセクハラの加害者に!?

2013.03.07 Thu連載バックナンバー

 セクハラ問題の発生が後を絶たない要因の一つに、「自分が行なっているセクハラ言動に気づいていない」ことが挙げられます。セクハラ問題の深刻さや影響の大きさを理解していないことも、大きな要因と言えるでしょう。大した問題にならないだろう、という考えを持っていると、悪意なくセクハラを起こし、問題になってから「そんなつもりはなかった」と後悔する事態になりかねません。実際に無意識のうちにセクハラの加害者となってしまうケースは数多く存在しています。
 Eさんの事例をみてみましょう。

 

好意をもたれているという誤解

 Eさん(38歳・男性)はある企業のマネージャー。最近、自分の部署にFさん(30歳・女性)が配属された。早く戦力になってもらいたいという想いと、お互いに働きやすい状況をつくるためにも、勤務時間中はもちろん、仕事帰りに何度か飲みに行ってコミュニケーションをはかっている。女性メンバーなので、食事も楽しめるお店がいいだろうと思い、自分なりに気を遣ってリサーチしたかいあって、Fさんも「このお店、素敵ですね」などと言って、喜んでくれている。
 Fさんは、どんな話もニコニコと聞いてくれ、仕事以外のプライベートな話も気軽にできるので、Fさんと飲みに行くのはちょっとした楽しみになっている。先日飲みに行ったとき、少し酔っぱらって、肩に手をまわしてしまったが、Fさんは何も言わず、恥ずかしそうにうつむいていた。Fさんもまんざらではないと思ってくれているようで、より二人の距離が縮まったように感じている。

 ところが、しばらくたって、Fさんが私からセクハラを受けたと訴えた。そのため会社に居づらくなっており、辞めなくてはならないかもしれない。彼女を誘って飲みに行ったことは確かだが、彼女も嬉しそうにしていたので、「セクハラではない」と会社に弁明したものの、今後の人事的な面で悪い影響があることは間違いない。なぜこんなことになってしまったのか……。

 

Fさんの訴え

Fさんの訴え 上司が頻繁に食事に誘ってくるので困っている。私が配属になって間もないことを気遣ってくれるのだろうが、「いい店があるから、仕事の打ち合わせを兼ねて」と誘われる。仕事のことと言われると断りづらく、3回ほどつきあったが、仕事とは全く関係ない話や「付き合っている人はいるか」、「どんな人が好みか」などと個人的なことの詮索ばかりで、仕事の話は殆ど出ない。仕事に関係ないのなら行きたくないけれど、上司に誘われた際に、都合が悪いと言うと、「いつならいいか」としつこく聞いてくるので、断ることもできない。
 先日は、機嫌よくお酒を飲んだあげく、身体を寄せられ、肩に手をまわされた。驚きと恐怖で何も言うことができず、ただ我慢するしかなかった。もう絶対に上司と食事に行きたくないが、うまく断る自信はない。職場でも上司と話すことが怖くて仕事に集中できず、出勤することが憂鬱になっている。どうしたらいいかわからず、会社に相談してみることにした。

「自分のセクハラ言動に気づかない」のは、そもそもセクハラとは何かがきちんと理解できていないということですが、セクハラとは何かについてはこれまでの回で説明していますので、今回はセクハラがどれだけ深刻なダメージを与える問題なのかを整理したいと思います。

 セクハラ問題が起きると、誰にどんなダメージが生じるか、考えてみてください。… 続きを読む

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ハラスメントは、しない・させない・ゆるさない
古谷 紀子

古谷 紀子

株式会社クオレ・シー・キューブ 取締役

クオレ・シー・キューブ:メンタルヘルスやハラスメント問題の相談、研修を行うコンサルティング会社。「パワーハラスメント」という言葉と定義を創り、特にハラスメント対策の専門機関として、広く知られている。

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