あなたは本当にBYODを知っていますか?(第4回)

BYODのその先へ~企業ITの未来を見据えて

2013.05.29 Wed連載バックナンバー

 三回にわたって、認知が進むとともに誤解も広まっている「BYOD(Bring your own device/私物端末の業務利用)」について振り返ってきました。さまざまな思い込みを解消することを通して、第1回では「スマホだけではないBYOD」第2回は「コスト削減だけではないBYOD」や「通話だけではもったいないBYOD」、そして前回は「『導入よりも解禁』が秘訣のBYOD」と、少しずつですがBYODの新たな姿が見えてきたのではないでしょうか。

 

「BYOD導入は、企業が取り組むべき重要な目的のひとつ」の誤解

 本稿は、すでにBYODを取り入れた企業の様々な事例や、導入ノウハウをまとめたガイドライン、そして、BYODの検討で悩んでいるユーザー企業の方々の声を参考とさせていただいています。この記事がBizコンパス読者のBYODを成功に導く助けとなれば嬉しいのですが、それではBYODを実現することは、企業とIT部門にとって、2013年度の重要な目的のひとつでしょうか?
 もちろん答えはNo。です。
 なぜなら、BYODそれ自体は最終的な目的ではなく、「働き方の改革を通じた企業の生産性向上」や、「社員満足度の向上による企業活力強化」など、より高いレベルの経営目的に対する手段でしかないからです。
 BYODを目的にしないこと。あくまで手段のひとつと割り切り、固執しないこと。BYODでなにができるのか、なにをやりたいのかを明確にし、常に「そもそも我が社は何のためにBYODを取り入れるのか」と最初に立ち戻って考えることを忘れないでください。

BYODで実現できる経営目標の例

BYODは理想のワークスタイルか?

 BYODは、企業にとっての目的ではないのと同じく、それ以上先のない理想的なゴールでもありません。社員の働き方や企業の競争力を決定づけるものはITだけではありませんし、話をITに絞ったとしても、携帯電話やPCを会社持ちにするか個人持ちにするかなんて、とても小さな問題です。BYODは、企業にとっての理想のワークスタイルを考える上での、最初の一歩に過ぎないといっても過言でもないでしょう。

 ではもしその最初の一歩に成功したなら、その先にはどんな世界やどんな課題が待っているのでしょうか?BYODは私たちをどこへ連れて行くのでしょう?

 

BYODのその先へ

 ベンダーの方から話を聞くと、BYODについて検討されているお客さまはほとんどといっていいほど、内線電話の在り方について口にされるそうです。業務用の携帯電話をどうするか突き詰めていくと、自然とオフィス内で使う内線電話機やPHS内線などにも関心が行くのでしょう。「携帯電話の二台持ちを解消しましょう」と提案すると、「じゃあ内線も一緒にまとめられないか」という方向に話が向かうケースは多いようです。
 また、BYODとは別の話ですが、スマホやタブレットについて検討したことをきっかけに、オフィスのPCの在り方について考えはじめる企業もあるとか。PCにはメールをはじめ重要なデータが入っているため、セキュリティワイヤーで机に固定して使っている企業でも、PCを「シンクライアント」に置き換えて、端末にデータを残さないようにすれば、少なくともオフィス内での持ち運びは認めるようになるでしょう。BYODとも相通ずるワークスタイルの変革を生み出すのではないかと考えられるわけです。たとえば、社内の会議では参加者全員が自分のシンクライアントを持ち寄るようにすれば、ペーパーレス会議が実現できます。
 IT部門だけではありません。オフィスの引っ越しや什器の配置を担当し、働く社員のサポートをする役目を持った総務部門が、社員の座席を固定しない「フリーアドレス/フリーデスク」導入の是非や社員コミュニケーションの活性化といった課題にも目を向けるようになりました。

 「社員のコミュニケーションスタイル・ワークスタイルを変革する」という点を突き詰めていくと、バラバラに構築されてきた連絡手段を統合する「ユニファイド・コミュニケーション」という考え方に行き着きます。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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