あなたは本当にBYODを知っていますか?(第3回)

逆風を避け、追い風に乗って始めるBYOD

2013.05.22 Wed連載バックナンバー

 「BYOD(Bring your own device/私物端末の業務利用)」に付きまとう誤解や思い込みをあらためて振り返るこの連載。前回は、BYODの目的とされる”コスト削減・生産性向上”の実態について掘り下げました。
 この第3回では、BYOD導入の進め方について考えてみます。BYODという発想そのものに抵抗を感じている、あるいは大がかりなシステム変更に二の足を踏んでいる、そんな経営者さんの参考になるのではないでしょうか。

 

「BYODの導入方法としては、トップダウン方式が望ましい」という誤解

「興味はあるけれど、我が社の社員が受け入れてくれるだろうか?」
「いま現在貸与している携帯を取り上げると、反発が大きそうで不安だ」
「私物を仕事に使わせるのなら手当を出せという社員もいそうだ。それでは結局高くついてしまう」
「BYODは24時間働けというイメージを与える。当社の労務制度では導入できない。残業管理も正しく行なえるか自信がない」

 こうした不安が原因で、BYODの一歩を踏み出していない企業は多いようです。社員にとって働きやすさも会社の魅力のひとつ。従来よりも働きにくくなれば、不満やモチベーションの低下が生じ、経営へも悪影響を及ぼします。

 こうした不安を感じるのは、BYODを会社から社員への指示として進めようとしているからかもしれません。特に、コスト削減を狙いとしたBYODを唱え、会社主導で、業務命令として有無をいわさず実行、従来貸与していた携帯を取り上げ、明日から私物を使うようにと指示を出す、というのでは、たしかに社員の不満につながります。

 

You can “BYOD”

 BYODのB(Bring)は命令形なのでしょうか。そうではなく、BYODという略語の前に、実は「You can」とか「You may」といった言葉が隠れているのだと考えることはできないでしょうか。つまり、持ってこい! と経営側がいうのではなく、社員の側から私物を使いたい! という声があがったところに、持ってきていいよ! と会社が許可を出す。「導入」というよりむしろ「解禁」に近いイメージです。業務命令として社員に強制するのではなく、社員の希望に対して会社が応える。このようなイメージを共有しながら進めることが、BYOD成功の秘訣ではないでしょうか。

BYODは「解禁」「許可」「参加」

 社員からBYOD希望の声が上がることは、十分考えられます。
 携帯電話のように日常的に使い慣れているデバイスでは、普段使っている機種と異なるものはなかなか使いづらいものです。頑張って私物と社用、両方に慣れようとする人もいますがストレスですし、結局使い勝手や好みの点での不満を抱えがち。また、私物で仕事の電話をしていた社員は自腹を減らしたいし、会社の許可なくアプリケーションで仕事をしている社員は、いつか情報漏えい事故を起こすのではないか、会社からルール違反を咎められるのではないか、と不安も抱えています。現状に満足しておらず、できれば我が社も話題のBYODを取り入れてくれれば……。そう考えている社員に対して、「You can “BYOD”!」といってあげることで、最初の一歩が始まります。

社員からのBYOD希望の例

携帯電話の貸与は全廃すべきか?

 これに対して、「一部社員だけが対象では生産性の向上もコストの削減も徹底できない。会社として行なうのだから社員全員に対して行なうべきだ。社員の働きやすさ最優先にはできない。企業の経営のためにはたとえ不満が出てもやりきる」という考え方もあるでしょう。特にコスト削減の徹底のためには一台でも貸与を減らしたいというニーズも当然あります。

 取り組みのゴールとして、… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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