海外IT動向ウォッチング 2017年4月~2017年9月(第8回)

AIならボタンひとつで作曲できる。でも著作権は?

2017.05.29 Mon連載バックナンバー

 AIが一般消費者に浸透し始めている分野の中に「音楽」があります。

 コンピューターミュージックの歴史は古く、「DTM(Desk Top Music)」も趣味として広く普及してますが、AI音楽では、ディープラーニングの実用化で、マシンが自ら作曲するようになり、しかも、それがどんどん侮りがたいクオリティになってきています。そして、こうしたAI作曲は新しいビジネスをつくり出しています。

 

AIと人間のコラボで実用音楽を

 米国のAI作曲ベンチャー、Amperが先ごろ、ベンチャーキャピタルから400万ドル(約4億4000万円)の資金調達に成功しました。同社は作曲家で音楽プロデューサーのドリュー・シルバースタイン氏らが2015年に設立したベンチャーで、クラウドベースの作曲ツールを提供しています。

 特徴は「AIと人間の共同作業」で、AIだけに任せるのではなく、人間の感覚も合わせて作品に仕上げるといいます。

 作曲のやり方は、ムード、スタイル、長さを選んで、さらに好みにカスタマイズします。最後にレンダリングボタンを押せば、数秒で曲を自動生成し、すぐに公開できます。作曲のスキルが全く不要で、誰でもすぐ、自分のイメージに合わせた曲を作れるといいます。CEOを務めるシルバースタイン氏は、Amperのコンセプトを米ベンチャービートのインタビューにこう語っています。

 ニューラルネットワークだけがAIの使い方ではありません。私たちはAmperにデータを与えるだけでなく、根本的にクリエイティブになるよう教えるのです。

 またシルバースタイン氏は、これで音楽の需要にも応えることができると言います。ターゲットはオンラインコンテンツ制作などに手軽に使える“実用的”な音楽です。

 メディアの音楽には2つの種類があります。一つは、エンドユーズで価値を持ち、芸術的なもの。もう一つは、(CMやオンラインの短編ビデオのように)より“実用”目的で、多くの企業が、あらかじめ作成されたストック音楽を利用するようなものです。

 シルバースタイン氏自身、後者のような実用音楽の作曲を依頼されることがあったそうですが、残念ながらギャラが安く、作曲家としては割に合わないと感じたといいます。そこで、実用目的の音楽をAIで簡単に作れるようにして、かつラインセンス料無料で提供することを考えたといいます。

 

AIが作曲した作品を販売
 
 AI作曲と手がけている企業には、ほかにもあります。Googleは「Magentaプロジェクト」というアート作品を作るAIのプロジェクトを進めていますし、日本のソニーコンピュータサイエンス研究所(Sony CSL)も昨年、AIが作曲した“ビートルズ風”の曲を公開して話題になりました。しかし、ビジネスという意味では、英国の… 続きを読む

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