海外IT動向ウォッチング 2017年4月~2017年9月(第19回)

電池不要「バッテリーレス携帯電話」の仕組みとは

2017.08.21 Mon連載バックナンバー

 「電池切れ」は、携帯電話/スマートフォンの一番の泣き所です。どこへ行くにもモバイルバッテリーが手放せないという人も多いでしょう。電源を気にせず使えたら、素晴らしいだろう――そう考えた米大学の研究者が、そもそも充電池も乾電池も搭載しない“バッテリーレス携帯電話”を発表しました。近々の製品化を目指しています。

 

エネルギー源は電波と光

 バッテリーのない携帯電話を発表したのは、シアトルのワシントン大学ポール・アレンコンピュータサイエンス&エンジニアリング校の研究チームです。このほど開設した専用ウェブサイトでは、次のように概要を説明しています。

わずか数マイクロワットの消費電力で動作する世界初のバッテリーなし携帯電話の設計を紹介する。音声を感知してイヤホンを起動し、上りと下りの通信を切り替えながら通話ができるもので、全てリアルタイムで処理するのだ。

 従来の携帯電話は、充電池を電源にして動作しますが、このバッテリーレス携帯電話の電源は、空気中を飛んでいるエネルギー、すなわち「電波」と「光」です。

 電波は、携帯電話基地局から高周波を受信して、電力に変換して利用します。ただし、これだけではパワー不足なので、内蔵した「フォトダイオード」という半導体で、光を電気に変換して補うという工夫をしました。

 電話機自体も非常に低消費電力、高効率で、プロトタイプの電力消費は3.5マイクロワットに抑えたといいます。一般の携帯電話は、通信方式やディスプレイの有無などで大きく変動しますが、1ワット近くかかるのが普通です。超低消費電力デバイスのマイコンなどでも消費電力は数十マイクロワット程度が必要なので、バッテリーレス携帯電話は“超々低消費電力”と言えるでしょう。

 

15mの距離まで通話が可能

 研究チームは、実証実験の様子を動画で公開しています。プロトタイプは、むき出しのプリント回路基板の上に市販のいくつかのパーツを搭載したシンプルな構造です。「トークボタン」を押しながら話すので、携帯電話というよりは、トランシーバーのように見えます。

 電話の発信時には大きな電力が必要になりますが、そのためにさまざまな工夫が盛り込稀ています。動画の中では、通話の仕組みを次のように説明しています。… 続きを読む

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