海外IT動向ウォッチング 2017年4月~2017年9月(第17回)

うわべだけのAI「AIウォッシング」が蔓延中

2017.08.07 Mon連載バックナンバー

 世界は「第三次AIブーム」のまっただ中にあると言われています。「ニューラルネットワーク」「機械学習」「ディープラーニング」が切り開いたAIの活用は、あらゆる産業に波及し、数年でソフトウェアの大半にAI技術が盛り込まれるとの予想もあります。

 その一方で、「AIの名で売れる」とばかりに、うわべだけAIでアピールするようなマーケティング「AIウォッシング」(AI Washing)も横行しているといいます

 

AIは「過剰な期待」のピーク

 環境問題がクローズアップされた1990年代、“環境配慮”をうたえば販売につながることから、実際にはエコでないのに、エコを前面に打ち出してマーケティングをする企業が相次ぎました。こうした、うわべだけの環境配慮で売り込む行為を指して「グリーンウォッシング」という言葉が生まれました。AIウォッシングは、グリーン(エコ)の代わりにAIで売り込むものです。

 AIは今、最大の注目技術です。IT調査会社の米ガートナーは、新技術の認知度や期待度がどのように変化しているかを示す「ハイプ曲線」(hype=「誇大宣伝」「過剰な期待」)を毎年発表していますが、昨年8月発表の2016年版 では、まさに「機械学習」がその頂点にありました。

 ガートナーのウェブサイトでも、「AI」という言葉が急速に注目されるようになり、2016年1月には、ウェブサイト内の検索キーワードの上位100位にも入っていなかったのが、2017年5月には7位まで急浮上したとのことです。

 AIウォッシングは、そうした過度な期待の中、「『AI』と付いていれば売れる」と考えたベンダーの思惑を反映したものです。2020年までのソフトウェアのAI搭載について予測したガートナーのレポートhttp://www.gartner.com/newsroom/id/3763265で、アナリストのジム・ハーレ氏は次のようにコメントしています。

AIがハイプ曲線に合わせて加速するとともに、多くのソフトウェア企業が、ここ数年で最大のゴールドラッシュでもうけることに期待を持つようになった。確かにAIは素晴らしい可能性を提供する。だが、残念なことに、ベンダーのほとんどが、まずそのニーズや潜在的な利用法、顧客へのビジネスバリューを見いだすことよりも、AIベースの製品を作って売り込むことに力を注いでいる。

 

AIの定義にも混乱

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