海外IT動向ウォッチング 2017年4月~2017年9月(第13回)

「あなたの余命は……」AIは寿命まで教えてくれる

2017.07.03 Mon連載バックナンバー

 最新の医療用画像診断を活用すれば、その人があとどれくらい生きられるか、余命が推測できるといいます。

 もちろん、余命を読み取るためには、相当な訓練を積んだ医師でなければ難しいとのことですが、AIであれば話は別です。この6月に、オーストラリアのアデレード大学が、AIを使って寿命を予測するシステムを開発したと発表しました。コンピューターに寿命を教えてもらう時代が来たようです。

 

CTスキャン画像で5年生存率を予測

 余命予測システムの開発では、アデレード大学のAI研究者と医学部が協力し、患者の胸部のCT検査の画像を用いて、ディープラーニングで学習させました。同大医学部博士課程の放射線医学者で、研究を主導したリューク・オークデン-ライナー博士は、次のように述べています。

 患者の未来を予言することは意味がある。それによって医師が患者1 人ひとりに合った治療を施すことができるからだ。医師は患者の体の内部を見て各器官の健康状態を観測できないため、従来は寿命を正確に評価し、患者の余命を予測することは制限されてきた。

 人間の専門家が画像の読み方を習得するまでには相当なトレーニングが必要です。研究チームはAIのディープラーニングを使うことで、より効率的にコンピューターで診断する方法を考えました。近年の診療現場では、医療用画像は日常的に蓄積されており、このデータを有効活用するという意味もあるといいます。

 開発のベースにした患者のデータは60歳以上の患者の画像で、わずか48人分でしたが、5年生存率の予測精度は69%と、一般的な専門医と同程度に達したといいます。

 

画像分析AIの医療活用が本格化

 医療用画像とAIの組み合わせは、医学界のトレンドになっていますが、これは画像認識技術が急速に進歩しているからです。

 米サンフランシスコの新興企業、エンリティックは、ディープラーニングを応用してX線やCTスキャンの画像から、ガンなどの悪性腫瘍を見つけ出すシステムを既に販売しています。同社のウェブサイトはこう説明しています。… 続きを読む

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