海外IT動向ウォッチング 2017年4月~10月(第10回)

「羊たちは沈黙」、AIで動物の痛みを知る

2017.06.12 Mon連載バックナンバー

 犬や猫を飼っている人は、ペットの具合が悪いとき、その表情や仕草でなんとなく分かるのではないでしょうか。しかし、「羊(ひつじ)」はどうでしょう。飼育のベテランなら分かるかもしれませんが、素人には無理そうです。

 そこで、羊が痛みを感じているかどうかを、その表情からAIを活用して識別する研究を、英ケンブリッジ大学の研究者が発表しました。この技術は他の家畜や人間にも応用できるとのことです。

 

羊の表情を画像解析で判定

 昨年、羊の表情の特徴を抽出して、痛みを感じているかを判断する「SPFES」(Sheep Pain Facial Expression Scale)という指標が英チェスター大学の研究者によって開発されました。

 ただし、この指標で診断するには、使いこなせるまで訓練が必要で、判定者によって判断のぶれが発生するという問題がありました。そこで、ケンブリッジ大の研究者たちは、AIの画像解析に、SPFESをやらせようと考えたのです。研究論文では次のように概要を説明しています。

 動物の疼痛レベルの評価は重要だが、彼らを快適に維持するプロセスには時間がかかる。一方で羊の表情は、痛みのレベルを示す効果的かつ信頼性の高い指標になることが分かっている。本論文では、表情認識技術を羊の顔に拡張し、疼痛レベルの自動推定を容易にする。羊の顔を検出することから始まるわれわれの多面アプローチは、顔のパーツの位置、正規化、さらに顔の特徴まで引き出す。実験では分類精度は67%に達し、より多くのデータがあれば、われわれの手法で、他の動物の疼痛レベルの自動評価も可能になると考えられる。

 

痛みは病気の兆候

 こうした研究は何の役に立つのでしょう? 家畜は… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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