海外IT動向ウォッチング 2016年10月~2017年3月(第7回)

「ドナルド・トランプ勝利」を的中させたAIとは

2016.11.21 Mon連載バックナンバー

 注目の米大統領選挙はドナルド・トランプ氏が大方の予想を裏切って勝利という結果になりました。ほとんどの世論調査がヒラリー・クリントン氏の優位と伝え、開票が始まった時点でも、なおクリントン氏の勝利を疑う者は少なかった中での大逆転です。

 ところが投票の少し前、「この選挙はトランプ氏の勝利になる」と予言していたAIがありました。

 

トランプ氏の勝利をデータで予測

 CNBCは10月28日、「Trump will win the election and is more popular than Obama in 2008, AI system finds」(AIシステムが指摘「トランプは選挙に勝つだろう。2008年のオバマ大統領よりも人気がある」)として、インドの「MogIA」というAIがトランプ氏の勝利を予想していると伝えました。

 「MogIA」はAIを活用したヘルスケアサービスを提供するインドのベンチャー企業Genic.aiのAIシステムです。同社の設立は今年6月ですが、創業者のサンジブ・ライ氏はAI分野の研究者、起業家として知られ、MogIAの開発は2004年にまでさかのぼるといいます。

 CNBCの記事が掲載されたのは、結果が出る1週間以上前です。クリントン氏優勢とみるメディアが大勢で、MogIAの予想を、あまり信じてない様子でした。でもライ氏には相当の自信があったようです。

 現在、ほとんどの世論調査ではクリントンと民主党が大きくリードしている。だが、ライ氏は自身のデータから、クリントンも浮かれている場合ではないと言う。「もしトランプ氏が負ければ、それは12年間で初めてデータのトレンドに反したことになる」とライ氏はCNBCに語った。

 実はMogIAは、2008年のオバマ大統領の当選も予想を当てていました。また今回も、指名争いで混沌していた時、トランプ氏とクリントン氏がそれぞれ共和党と民主党の候補に選ばれることも予想していたといいます。

 

「AIはデータを捨てず、先入観を持たない」

 MogIAはFacebook、Google、Twitter、YouTubeなど公開されているソーシャルメディアの2,000万のデータポイントから情報を収集してデータ分析を行いました。データが多いほど精度が高くなるため、以前よりもさらに賢くなっています。そうして、ユーザーの「エンゲージメント」(ブランドと、ユーザーの親密さ・結びつき・絆・共感などを表す指標)を弾き出したところ、8年前のオバマ大統領の当選時よりも、トランプ氏の方が、25%も高ポイントだったといいます。

 ライ氏は、MogIAが優れている点を次のように説明しています。… 続きを読む

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