海外IT動向ウォッチング 2016年10月~2017年3月(第4回)

企業のモバイルアプリはビジネスに貢献しない

2016.10.31 Mon連載バックナンバー

 モバイル時代で、あらゆるサービスがスマートフォンから利用できるようになっています。この波に乗ろうと、さまざまな企業が自社の専用アプリを作って、ビジネス展開や顧客の取り込みを図っています。

 ところが、このトレンドは終了し、自社モバイルアプリから撤退する企業が続出するとの予想があります。

 

期待外れの企業モバイルアプリ

 IT調査会社の米ガートナーは先ごろ、2017年以降のIT業界予想を発表。AR(拡張現実)、ブロックチェーン、IoTなどを大きなトレンドとして挙げています。しかし、ちょっと前まで流行だったモバイルアプリについては「2019年には、企業の20%がモバイルアプリの提供をやめるだろう」とネガティブな予想をしています。その理由は次のようなものです。

 多くの企業が自社のモバイルアプリに投資してきたが、その利用、顧客獲得、投資利益率が、いずれもひどく期待外れであることが分かってきた。(中略)多くの企業は、効果の薄いアプリの体験を再評価し、期限切れをもって廃止にすることで、損失を減らすことを選ぶだろう。

 モバイルアプリは、比較的低コストで開発ができ、配布が簡単で、気軽に参入できるため、スマホの隆盛を受けて、多くの企業がマーケティングツールとして導入しました。ブランドアプリとして無料提供すれば、大勢のユーザーがインストールすることが期待できます。

 しかし、インストールしただけで、あまり利用してもらえなければ、運用が負担になって、結局、打ち切ることになるというわけです。

 

持続性のあるビジネスモデルではない

 ガートナーの予想と関連する興味深い調査があります。モバイルアプリの解析を手がける米ロカリティクスは、ユーザーが1度使っただけで利用をやめてしまう「放棄率」と、11回以上起動させた(使った)「リテンション率」を継続的に調べています。2016年の調査では3万7,000のアプリを対象に調べました。

 その結果、放棄率は23%で、インストールはしたユーザーの4人に1人が、実際は全然使ってくれないということです。前年はこの率が25%だったので少し改善はしたのですが、放棄率は年々、増加する傾向にあるといいます。

 一方でリテンション率では、2012年には31%のユーザーが11回以上アプリを起動させていました。その後は、2014年に39%と最高レベルに達し、2016年の調査でも38%の高いレベルを維持しました。しかし、これはあまり喜ぶべき結果ではないようです。… 続きを読む

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