海外IT動向ウォッチング 2016年4月~9月(第23回)

ソフトウェアベンダーはクラウドなしで生き残れない

2016.09.26 Mon連載バックナンバー

 クラウドの広がりでソフトウェアの使い方が大きく変わりました。かつては売り切りの「ライセンス販売」で製品を売ってきたソフトウェアベンダーも、クラウドによるアプリケーションを取り扱わずにはいられなくなってきました。企業のツールは次第にクラウドに集約されていく方向です。コンサル世界大手のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)は、こうした変化を「気候変動」と呼び、ソフトウェアベンダーは、クラウドへのかじ取りなくして生き残っていけないだろうと警告しています。

 

クラウドが引き起こした「気候変動」

 PwCが8月中旬に発表した「Global 100 Software Leaders」(世界のソフトウェアリーダー100)は、同社が2010年に開始したソフトウェアベンダー・ランキングの最新版です。2年ぶり4回目ですが、今回初めて「急成長クラウド企業ランキング25(PDF)」が盛り込まれました。SaaSとPaaSのパブリッククラウドサービスを提供するベンダーの2013年と2014年の業績に基づいて、クラウド事業の高成長率ランキングを出したものです。

 それによると、上位5社は、加オープンテキスト米Appian仏ダッソー・システムズ米Smartsheet米インフォマティカでした。オープンテキストは2014年のクラウド売上が、前年比約800%増という急成長ぶりです。売上高(2014年)でみると、ずば抜けてのトップは成長率8位のマイクロソフトで、前年比約88%増の22億9200万ドルを記録しました。

 これに、米Workday(売上高5億9,200万ドル)、米ServiceNow(同5億5,100万ドル)が2位、3位として続いています。ちなみにアップルの成長率は78.1%の15位でした。

 PwCが今回、クラウドベンダーだけでの成長ランキングを作成するようになった理由は、「気候変動」だといいます。

 最新の「PwC Global 100 Software Leaders」レポートから、次のようなことがはっきりした。すなわち、以前だったら、どうにか数字に出てくる程度だった(失礼、言い方が悪いかもしれないが)クラウドの売上が上昇し、全てのソフトウェア企業に影響しているのだ。たとえば、SaaS/PaaSの売上高が、上位50社の売上高の総計の10%を占めるまでになっている。

 パブリッククラウドにはIaaS、PaaS、SaaSがありますが、IaaSは主としてソフトウェアではなくハードウェアとみなされるため、調査には含まれていません。PaaSとSaaSとの比較では、SaaSの売上高が199億ドルで、PaaSの25億ドルを大きく引き離しており、ソフトベンダーにとって影響が大きいのもSaaSだとしています。

 

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