海外IT動向ウォッチング 2015年10月~2016年3月(第14回)

装着すると40歳年をとる“ハイテク老化スーツ”

2016.02.01 Mon連載バックナンバー

 「外骨格パワードスーツ」は、人工筋肉などを備え、“着る”ことで人間の力や動きを強化するロボットスーツです。人間の限界を超えるパワーを持つ兵士をつくりだすことや、介護の現場に導入して力の弱い女性がお年寄りを軽々と運ぶといったことも可能になります。普通は力を強化する機械ですが、このほど、逆に「弱くする」“アンパワード”スーツが評判になりました。「着ると40歳、年をとり、若者でも老化を実感できる」というものです。

 

目が見えない、不快な老化体験

 老化スーツは、年初に米ラスベガスで開催された家電見本市「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)2016」に出展されました。CESでは、自動運転車からバーチャルリアリティ(VR)、ドローンとさまざまな技術が紹介されましたが、その中でも老化パワードスーツ「R70i Age Suit」は、来場者に強いインパクトを与えたようです。

 R70iを試着した米The Vergeの記者は、次のように体験を綴っています。

 スーツを着て15分もすると、外骨格スーツが再現できるありとあらゆる不快感を体感した。最初の不快さは視界に関するものだ。VRタイプのヘッドセットを装着するのだが、ブースの担当員は老人性黄斑変性、白内障、緑内障を患ったらどうなるのかを体験させてくれた。ヘッドセットは各疾患に合わせて視界をぼやけさせたり、ゆがめたりした。想像の通り、とても不快なものだった。

 老いて目の水晶体が濁る老人性白内障では、外郭がぼやけたと思ったら、次第に中央もぼやけていくといいます。また、緑内障でも、ぼやけたあと、最終的には視野狭窄になりますが、R70iでは、そんな体験もできたそうです。

 

センサー、VR、ARを駆使して老化をシミュレート

 R70iを開発したのは、米国のApplied Mindsというベンチャー企業です。スーツは重さ約40ポンド(約18キロ)で、3人掛かりで装着します。ヘッドセットはFacebook傘下の米オキュラス製でカメラが付いており、The Vergeの記者が体感したようにAR(拡張現実)技術によって、視界をぼやけさせることができます。

 視力だけではありません。聴力、動作などについても40年、年をとった後に起こりうる状態を仮想体験できます。聴力ではヘッドホンからの… 続きを読む

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