海外IT動向ウォッチング 2015年10月~2016年3月(第1回)

AIで飛躍的に賢くなるチェスコンピューター

2015.10.05 Mon連載バックナンバー

 「機械と人間の勝負」は、古くからのテーマですが、中でも話題を呼んだのが、1997年の「チェス世界チャンピン対IBMのスパコン」で、コンピューターの「ディープブルー」が勝利したことです。

 実はそこから20年近く、チェスコンピューターのゲーム手法は変わっていませんでした。しかし先ごろ、これまでにない“画期的な手法”を英国の研究者が発表して話題になっています。

 

総あたりからスマートな思考へ

 チェス世界チャンピオンのガルリ・カスパロフ氏を破ったディープブルーの勝利の秘密は、高速な計算能力で、「1秒間に2億手の先読みを行い、対戦相手となる人間の思考を予測する」というものでした。

 つまり膨大な手を全部検討して、その中から最も勝ちに行ける可能性の高いものを選択するという方法です。ディープブルー開発チームのフェン・シュン・スー氏は、こう説明しました。

 人間とコンピューターの発想は全く違う。砂浜で指輪を落とした場合、人間なら自分の足跡をたどったり、金属探知器で探す。しかしコンピューターは、巨大なブルドーザーで砂浜を掘り起こし、ありとあらゆる粒子をひとつずつチェックし、それより大きいものをピックアップしようと考える

 こうした方式は「ブルートフォース」(総あたり)方式と呼ばれます。最近はパスワードのハッキング手法として有名になってしまいました。ありうるパターンを高速で全て試す方法です。

 これに対し、英インペリル・カレッジ・ロンドンの研究者マシュー・ライ氏は… 続きを読む

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