海外IT動向ウォッチング 2015年4月~9月(第8回)

ロシアが独自スマホOSを開発、中国にも協力呼びかけ

2015.06.01 Mon連載バックナンバー

 スマートフォンのOS市場は世界的にAndroidとiOSの独占状態にあります。これに挑戦するのは、Microsoftなどライバル企業だけではありません。ロシア政府が独自のスマホOSの構想を明らかにしました。The Inquirerが「Russia to Ditch Android and iOS with own NSA-proof Linux-based Software(ロシア政府が、独自の『防NSA』Linuxベースソフトで、AndroidとiOSを捨てる)」として伝えています。

 

元NokiaのJolla技術を基盤に

 The Inquirerは、ロシアの経済情報サイトRBCが5月17日付で報じた内容を紹介しています。それによると、ロシアのニコライ・二キフォロフ通信情報大臣はロシアのモバイル市場におけるAndroidとiOSの独占状態を快く思っておらず、国産のモバイルプラットフォームを持つべきだとの考えを明らかにしたといいます。AndroidはGoogle、iOSはAppleの技術であり、両社とも米国企業です。そして独自OSの大きな特徴は「防NSA」(NSA-proof)。つまり、NSA(米国家安全保障局)の情報盗聴から防御できることです。

 ロシアの独自OSは米国依存を避け、防諜の観点からも必要ということですが、フルスクラッチで開発するわけではありません。二キフォロフ大臣は隣国フィンランドのベンチャー企業Jolla(ヨーラ)のモバイルOS「Sailfish OS」を基盤としたプラットフォームの構築を考えているようです。Jollaは元ノキアの社員が中心となって立ち上げたモバイル技術企業で、Sailfish OSの開発を行うとともに、同OSをベースとしたスマートフォン「Jolla」を既に欧州で発売しています。

 Sailfish OSはノキアが一時期、インテルと進めていたオープンソースのモバイルOS「MeeGo」をベースとしたもので、オープンソースとしてコードを公開しています。公開されたコードを利用して、自国向けのモバイルプラットフォームを構築するというのがロシアの計画のようです。The Inquirerは、過去にロシアがソフトウェア企業にソースコードの公開を求めたことを報じています。

 二キフォロフ大臣は当時、「自分たちのプログラムのソースコードを開示する企業は、何も隠していない。だが、この問題でロシアと協調しようとしない企業は、自分たちの製品に公開していない機能を隠しているのではないか」と述べていた。

 

ロシアでもAndroidとiOSのシェア合計は9割以上

 しかし、開発しさえすれば、切り替えできるかというと、そんな簡単な話ではありません。… 続きを読む

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