注目を集めるアジア諸国の最新現地IT事情(第2回)

巨大市場・インドネシアの現在とITの課題を知ろう

2013.08.02 Fri連載バックナンバー

 2億4,230万人にものぼる人口の多さなどから、東南アジア屈指の巨大市場として注目を浴びているインドネシア。日本企業も積極的に進出を行っているが、意外と知られていないインフラへの不安など落とし穴もあるようだ。現地の通信事情など、進出前に知っておくべきことをご紹介する。

 

GDP額が上昇し続けるインドネシア

 中国、インド、米国に次いで、世界第4位となる、およそ2億4,230万人の人口を誇るインドネシア。大半がマレー系の民族で27種族に大別され、人口の87%がイスラム教信者であり、世界最大のイスラム教人口を有する国である。

 天然資源に恵まれ、原油、天然ガスを始め、スズ、ニッケルなどの鉱物資源や石炭、パームオイルも豊富であり、各国からプラントでの進出企業も多い。首都ジャカルタは、人口1,020万人と推計される、経済の本拠地。日本企業もジャカルタ近郊に、製造業を中心に約1,300社進出している。
 この背景には、ジャカルタの経済状況の良さが挙げられる。JETRO(日本貿易振興機構)によると、インドネシアの実質GDP成長率は2012年IMF予測で6.3%、ひとりあたりのGDP額は3,509USDと上昇を続けている。

GDP額が上昇し続けるインドネシア

名目GDP額と実質GDP成長率で、アジア各国に圧倒的な差をつけている。

 また、インドネシアは非常に親日的な国としても知られている。トヨタ、日産、ホンダ、ダイハツ、スズキなどの日本車を所有する国民も多く、今や現地での日本車シェアは90%を超える。日系企業のうち、自動車関連企業が約1割を占めるのもそのためだ。

 日本からインドネシアへの民間直接投資は、実現ベースで、2010年は7.1億USD(前年比54.4%増)、2011年は15.2億USD(前年比217%増)と増加傾向である。若年人口が多いため、若年労働力が安定して供給されることや、2030年まで生産年齢人口増加が経済を引っ張ると予想されていることも、現在のインドネシアに活気を与えている要因だ。

 

各種インフラへの不安が大きな課題

 日本企業が進出しやすく思えるインドネシアだが、実は課題がいくつかある。まず挙げられるのがインフラへの不安だ。中でも交通インフラの脆弱さは重要な課題。首都ジャカルタでは主要な道路は整備されているが、交通渋滞は非常に深刻な問題となっている。

 特に朝夕のラッシュ時には、通常であれば15分程度で行けるはずが、1.5〜2時間ほどかかる大渋滞に巻き込まれることも日常茶飯事だと話すのは、現地拠点のIT担当者。ビジネスでお客さまと時間を約束することも容易ではない。一方、首都から少し外れると、未整備の道路が増え、雨が降ると道路状況は悪化してしまい、舗装が陥没していることもある。

 電力をはじめとするエネルギーインフラも、供給状況が不安定なため、停電がよく起こる。停電対策として、オフィスビルに発電機を有しているケースも多い。

 通信インフラが抱える問題も見逃せない。世界情報通信事情によると、携帯電話加入者数が2億2千万人と普及率92%に対し、固定ブロードバンドへの加入者数は190万人とわずか0.8%の普及率に留まっている。

各種インフラへの不安が大きな課題

アジア各国と比べて、固定ブロードバンド加入率の低さが際立つ。

 その理由のひとつに、… 続きを読む

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池田 園子

池田 園子

フリーライター

楽天やITベンチャーに勤めた後、フリーランスに。R25、ITmedia、Impress Watch、ウレぴあ総研など、Web媒体を中心に執筆中。著書に『フリーランスで食っていきたい!』がある。ブログ(http://sonoko0511.jp/)

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