注目を集めるアジア諸国の最新現地IT事情(第1回)

日本企業のベトナム進出に必要な課題は?

2013.07.26 Fri連載バックナンバー

 ネット環境の充実や就労人口の多さなどから、東南アジアの拠点として注目を浴びているベトナム。日本企業も積極的に進出しているが、日本との文化の違いや、IT環境の違いなどを考慮することで、より効果的な進出が図れることは間違いない。

 

ベトナムの現状

 人口約9,247万人、日本の国土の約0.88倍の面積を持つベトナムは、東南アジアのインドシナ半島南部に位置している。南北に伸びている地理環境で、北部は亜熱帯気候で四季があり、冬は最低10°を下回ることもある。南部は熱帯モンスーン気候で、5月から10月までの約半年は雨季で覆われている地域。公用語はベトナム語であり、国民の80%近くが仏教を信仰している。

 最大都市ホーチミンの人口は約712万人、首都ハノイには644万人が集まり、活気に満ちている。また、人口の平均年齢が28.7歳と、日本の平均年齢45.8歳と比べると若年人口が多い国だ。

ベトナムの現状

 名目GDPは1,236億ドル、実質GDP成長率は5.9%と ASEAN(東南アジア諸国連合)全域で比べても成長著しい国である。若年層の多さから就労人口が多く、勤勉な技術者の宝庫として、また生産と消費の拠点として注目を浴びている。

 日本企業のベトナム進出は、2006年から急激に増加。その理由には、2006年のベトナムのWTO加盟や日系を含めた各種工業団地の整備、中国一極集中に対するリスクヘッジの動きがあげられる。2012年はベトナムに対する全世界の投資のうち、日本の案件が占める割合は約50%にのぼり、日本企業の商工会登録社数は1,000社を突破するなど、日本企業の積極的な進出が見られる。主に製造業が中心だが、小売業やサービス業も徐々に拡大を見せ始めている。

ベトナムの現状 ベトナムは、高い親日感情と安定した社会情勢も魅力の1つだ。2013年は日本とベトナムの外交関係樹立40周年にあたり、各種友好事業が行なわれている。また、ASEAN諸国に対するアンケートの中で、重要なパートナーとして日本を一位とするなど、ベトナムの日本への視線は友好的だ。社会情勢に関しては、ベトナム共産党による一党独裁によって政治的に極めて安定しており、少数民族に対して公的支援を行うなど民族間の衝突もなく、治安も良い。

 また、地理的な優位性があるのも特色だ。ベトナムはASEANの中心に位置しており、アジア中心の輸出に適している。また、工業集積地である中国華南地域やタイの中間にあり、陸路でつながっていることから、部品調達にも便利である(ハノイから中国国境までは200km弱)。

 

ベトナムのIT事情

 ベトナムの通信キャリアは、通信サービスはVNPT(国営ベトナム郵政通信グループ)とViettel(国営ベトナム軍隊通信グループ)の2大グループがメインで、固定電話はVNPTが7割、携帯電話はViettelが4割のシェアを占めている。

ベトナムのIT事情

 ベトナムでは、隣国に先駆けて2006年にFTTHサービスが開始され、現在月額1万円程度の安価な料金で、 日本のBフレッツとも似たブロードバンドインターネットが利用可能となっている。2009年には3G無線サービスが開始され都市部におけるブロードバンドが普及。現在月額600円程度で通信量無制限の3G無線インターネットが利用できるなど、有線・無線それぞれに広帯域のサービスを利用できる。

 

ベトナムの通信状況の課題

 広帯域のサービスが利用できる一方で、通信品質、特に可用性についてはまだ問題を抱えている。道路工事によるケーブル切断や人為的作業ミス、停電などの理由で通信障害が起きるなど、通信品質に関してはまだまだ発展途上だ。… 続きを読む

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江口 晋太朗

江口 晋太朗

編集者

政治行政やスタートアップ、テクノロジー、デザイン、カルチャーなどの多様な領域とメディアを横断。雑誌やウェブサイトなどの編集から、PRコンテンツ作り、コンセプトワーク、企画設計などの事業支援を行う。

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