海外IT動向ウォッチング(第12回)

なぜ増える? IT部門が管理できない「シャドウIT」

2013.09.23 Mon連載バックナンバー

 クラウドコンピューティングの広がりとともに「シャドウIT」(Shadow IT)の問題が大きくなっています。従業員や事業部が会社のIT部門を経由せずに外部のクラウドサービスを利用した結果、管理責任のあるIT部門の手の届かないところでリスクが発生している状況です。ComputerWeeklyの記事は、シャドウITが生まれた背景、リスクから分析しており、対策を考える助けになります。

 

ITのコンシューマー化が生んだトレンド

 シャドウITには、クラウドサービス(ソフトウェア)とハードウェアの両方が含まれます。ハードウェアではBYOD(Bring Your Own Device/私物端末の業務利用)のうち従業員が私用のタブレットなどを勝手に業務利用するのが代表。ソフトウェアでは、SkypeGmailなどのコンシューマー向けクラウドサービスの業務利用が、これに当たります。

 IT部門がサポートしてない(認めていない)技術を従業員が利用することは以前からありました。最近の傾向は、企業向けのクラウドサービスの充実で、ソフトウェア側のシャドウITが大きくなっていることです。メールの他に、DropboxGoogle Driveなど使いやすいオンラインストレージサービスが登場したことで、個人やチームでファイルを共有する際にこれらのサービスを利用する例が増えました。

 これらのサービスを、取引先や提携企業とのやり取りに利用するところも少なくありません。さらには、これが加速して、事業部門が使い勝手のよいサービスを導入する動きが増えています。例えば、営業がSaaSで提供される営業支援サービスを導入する、人事が人材活用のためにクラウドベースの人材管理サービスを利用することなどです。

 

手軽さ×生産性アップへのプレッシャー=加速

 シャドウITが大きくなった背景について、ComputerWeeklyの記事「Managing Shadow IT(シャドウITを管理する)」は、2つの要因を挙げています。

 1つ目は、クラウド形式で提供されるサービスの手軽さです。

 クレジットカードとブラウザがあれば、だれでも低コストのサブスクリプション型ライセンスを購入して、新しいアプリケーションを動かすことができる。時間はかからない。企業のデータのインポートや、他の業務アプリケーションと統合するのもそれほど難しくはない。IT部門の手を煩わせることはないし、IT部門が新しいシステムの存在に気づかないこともままある。

 オンラインショッピングに近い感覚でクラウドサービスを購入し、すぐに使い始めることができるのは、「手軽に、すぐに始められる」などとして強調するサービスのうたい文句通りです。
 さらに、もう一つの要因、「常に効率化やスピードを求められている」という事業部側の事情が拍車をかけます。

 生産性を改善せよという情報ワーカーへのプレッシャーは大きく、これが(シャドウITのリスクとなりうる)データの安全性や行動規範への懸念を上回っている。

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