ソーシャルCRM時代の顧客対応とリスク管理

企業ブランドを失墜させる「炎上」リスクと防ぎ方

2013.08.09 Fri連載バックナンバー

 新たなコミュニケーションツールとして、多くのユーザーが日々利用するようになったのがソーシャルメディアです。その一方、最近では一人の投稿が瞬間的・爆発的に広まり、企業への非難が集中する「炎上」が後を絶ちません。これらの中には企業側に非がない「風評被害」のケースもあります。こうした新たなリスクに対し、企業はどのように向き合うべきか、解説していきます。

 

広まるソーシャルメディアの企業利用

 消費者や顧客とコミュニケーションする新たな“場”として、TwitterFacebookに代表されるソーシャルメディアに注目する企業が増えています。

 このソーシャルメディアの企業における利用方法としては、まず商品やキャンペーンなどについてのメッセージを書き込む「情報発信」が挙げられるでしょう。口コミ効果によって情報が伝搬すれば、多くの人に新商品について知ってもらえるメリットがあります。

 さらに最近では、「アクティブサポート」と呼ばれる取り組みも広まっています。これは自社の商品やサービスについてユーザーが書き込んだメッセージを企業側がチェックし、もし「使い方が分からない」などといった内容であれば、それを発信したユーザー宛に直接サポートのためのメッセージを送信するというものです。従来、こうしたサポートはユーザーからの問い合わせを待つ受け身での対応でしたが、このアクティブサポートは企業側から能動的に働きかける点が大きな特長となっています。

 

能動的なサポートを実現するアクティブサポート

 このアクティブサポートに実際に取り組んでいる企業が富士通です。Twitter上で同社のパソコンについての使い方などで困っているユーザーがいると、「@Fujitsu_FMV_QA」というアカウントで解決方法や具体的な手順が記載されたWebページのURLを紹介しています。

 同様に、通信販売を展開しているニッセンでもアクティブサポートを展開しています。たとえば「ニッセンから商品が届かない」などといったメッセージがあれば、Webサイトの問い合わせフォームから問い合わせてもらえるように誘導を図るなどといった対応が行われています。

 ただユーザーが発信したメッセージをチェックして適切に返信するアクティブサポートをいきなり実施するのは敷居が高いでしょう。そこで現在では、このアクティブサポートを含めたソーシャルメディア対応を企業に代わって実施する、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションの「SLCソリューション」やネットイヤーグループの「ソーシャルCRM」、トランスコスモスの「ソーシャルCRMサポートサービス」などのサービスも登場しています。

 

ソーシャルメディア上でのネガティブ情報にどう立ち向かうか

 このようにソーシャルメディアは情報提供や顧客サポートといった観点から非常に有用なツールであると言えますが、一方で企業にとって好ましくない情報が広まることによって損失を被るリスクも無視できません。このようにリスクを管理することを目的に、ソーシャルメディア上を流れる自社に関するメッセージをチェックする企業も増えています。

 こうした風評被害を避け、適切にリスク管理を実施する上で重要となるのが、リスクとなり得るメッセージを迅速に捕捉し、素早く適切な対応を行うことです。

 たとえば最近の事例では、ある菓子メーカーが製造した商品に対して「虫が入っている」という写真付きのメッセージがTwitterに投稿されたというケースが挙げられます。菓子メーカーは、写真の商品は半年前に出荷した商品であることを特定。さらに写っている虫が生後30日~40日であることから、「製造時点で混入したものではない」という見解を示します。

 「虫が入っている」というメッセージは6月11日の12時57分に投稿され、その直後からTwitter上で広まって騒動になりましたが、菓子メーカーはわずか3時間後の15時57分に公式アカウントで説明を行い、この騒動は素早い対応によって急速に沈静化することになりました。ただ、もし菓子メーカーがこの投稿に気付かず、対応が遅れていればもっと大きな騒動になっていた可能性も十分に考えられます。

 同様の例として、あるコンビニエンスストアチェーンにおいて、ある店舗で人がアイス用冷蔵庫に入る写真がFacebookなどに投稿されたケースがあります。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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