「ソーシャルCRM」の可能性 ~企業と顧客をつなぐ新たなチャネル~(第2回)

ソーシャルCRMの利用メリットと活用のステップ

2012.07.03 Tue連載バックナンバー

 前回は、商品企画からアフターフォローまでの各領域において、どのようにソーシャルメディアを活用できるかについて概説した。今回はそれぞれの領域で、どのようなステップで顧客との関係を強化していくかを考える。

 

ソーシャルメディアを利用するメリット、利用しないデメリット

 従来、企業のCRM担当者は、商品企画や開発段階においてはアンケートやインタビュー、商品販売段階では実店舗での接客、アフターフォロー段階ではコールセンターといった接点を通じて、顧客のニーズを把握し、顧客との関係強化を図ってきた。しかし、ソーシャルメディアを活用することにより、その成果を量的・質的に拡大することができる。

 主なメリットは以下のようなものである。

  • 反応がスピーディ:新しい製品に対する反応など、既存のアンケートやインタビューでは数週間程度かけて調査していたものが、ソーシャルメディアではほぼリアルタイムに把握することができる。
  • 顧客の本音を知ることができる:ソーシャルメディアでは、店頭や自宅など、まさに自社商品を使っている瞬間のつぶやきを聞くことができる。アンケート画面やインタビュールームで謝礼をもらって回答する発言とは異なり、顧客のリアルな本音を把握することが可能だ。
  • 情報量が多い:商材にもよるが、ソーシャルメディアには、コールセンターに集まる声とは桁違いの数の発言があふれていることが多い。
  • 顧客の不満を小さいうちに解消:コールセンターに電話するほどではない軽微な不満や疑問点を検索によって見つけ出し、企業側から助けの手を差し伸べる「アクティブサポート」はソーシャルメディアならではの活用形態である。
  • 評判が拡散していく:基本的に1対1のやりとりであるコールセンターでの会話に対し、ソーシャルメディアでのコミュニケーションは、「フォローする/される」(※1)の関係により、衆人環視の中での会話に近い。この環境での優れた顧客対応は、瞬時に「リツイート」/「いいね!」(※2)され、よい評判が広がるきっかけともなる。

 一方、最近では企業がソーシャルメディアに関わらないデメリットというのも出始めた。企業がソーシャルメディアで受ける風評被害の中には、第三者が勝手に企業を名乗ってデマを流すケースや、事実を誤認した発言がソーシャルメディアで一人歩きしてしまうケースが多い。そういう事態を考えても、企業がソーシャルメディア上で存在感を示す意味は大きい。

※1:「フォローする/される」・・・Twitterにおいて他者のつぶやきを自分のタイムラインに表示するように登録する行為がフォロー。フォローは基本的に相手の承認を得る必要がないため、著名人などの場合爆発的なフォロワー(フォローしている人)を得るケースがある。ちなみにソフトバンクの孫社長のフォロワー数は160万人を超える。

※2:「リツイート」/「いいね!」・・・「リツイート」はTwitterにおける情報拡散機能。他者の発言をタイムライン上に「回覧」できる。「いいね!」はFacebookにおける推奨機能で、「いいね!」ボタンを押したトピックや画像は、自分のタイムラインに取り込まれる。

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Bizコンパス編集部

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