固定電話料金の削減ノウハウ

通信大手3社の直収電話サービスを比較する

2013.02.15 Fri連載バックナンバー

 2012年12月に掲載した「複合機、FAX、携帯電話、固定電話のコストを見直す(第4回)」の記事で、固定電話のコスト削減の方法として、通信事業者各社が提供する「直収電話サービス」をご紹介した。
 固定電話を提供しているのはNTT東日本、NTT西日本だから、基本料は下げようがないし、長距離電話の割引サービスにはとっくに加入済みということで、すでに固定電話の経費節減はやりつくしたと考えがちだが、実はそうではないのである。前回の続編として今回は、いかにしてその料金を削減するか、通信各社の具体的な試算を参考に紹介したい。

 

固定電話料金は削減できる!

 最近は、携帯電話やスマートフォンが社員に配布されるようになって、通信コストの増加がいよいよ悩みの種になってきた。コミュニケーションはビジネスの基本である。これもあって、なかなか長電話禁止、不要不急な電話中止など、大きな声でいえない雰囲気がある。とはいえ、担当者は経営層から頭ごなしに経費削減を命ぜられ、さぞかし頭の痛いことと察せられる。乾いたぞうきんをさらに絞れといわれているようなものだ。
 ここで注目して欲しいのが「固定電話」だ。昔から当たり前のように会社にあって、これを安くできると気がついていない人もいるかもしれない。あるいは、従来安くする方法は検討してきたが、品質に難がある、番号が変わるなどの理由で、先送りしてきたかもしれない。
 だが、品質や番号など、使い勝手に関する部分は維持しつつ、大きな設備投資なしに、コスト削減する方法があるのだ。各社の事例を紹介していこう。

直収電話サービスとは

 固定電話に関してはNTT東日本・NTT西日本の加入電話を利用していることが多い。この場合、NTTコミュニケーションズやKDDI、ソフトバンクテレコムなどの電話料金割引サービスを利用していたとしても、それとは別にNTT東西の基本料(回線使用料)を払うことになる。

NTT東西の加入電話 NTT基本料(回線使用料)がかかる

  これに対し、直収電話とは、NTT東西を通さずに各社が自社の設備に直接収容する電話のことをいう。この場合、NTT東日本・NTT西日本の加入電話は利用しないので、NTT東西の基本料(回線使用料)はかからない。

 直収電話を契約する各社の基本料はNTT東西よりも安く設定されていることが多い。また、通話料金も概ね安くなり、さらに無料、かけ放題などのオプションも用意されている。

各社の直収電話(各社の基本料がかかる)

 

ケースA:年間120万円のFAX費用が0円に!100%削減

 グループ社員数約300名の建築土木業の事例。グループ全体で電話が80回線もあり、電話もFAXも多かった。とりわけ大きな課題となっていたのがA3サイズの図面の事業所間FAXであり、これに年間120万円がかかっていた。電子化するにもパソコンを配置していない現場もあり、FAX自体をなくすことができない。そこで、相談したのがNTTコミュニケーションズである。
 NTTコミュニケーションズは各事業所に「ひかりラインバリュータイプ」の導入を提案した。「ひかりラインバリュータイプ」とは、従来NTT東日本・NTT西日本を経由していた固定電話を、直接NTTコミュニケーションズが提供することで、基本料や通話料が安くなるサービスである。さらに1チャネル(電話回線1回線に相当)あたり月額840円の定額料を支払うことで、事業所間の通話が無料になる。いわば、内線のように利用できるというわけだ。
 この事例では「ひかりラインバリュータイプ」に乗り換えることで、事業所間のFAX通信コスト年間120万円がゼロになり、大幅なコストダウンにつながるという。

 

ケースB:前年比20%のコスト削減

 社員数約570名の食品メーカーの事例。年間の情報システム部予算の7分の1が通信費となっており、これを削減して新しい投資に生かせるかが大きな課題となっていた。相談したのが、ソフトバンクテレコムであり、条件が「大きな設備投資が必要ない」ということであった。そこで提案されたのが直収電話「おとくライン」であった。回線切替工事は必要だが、… 続きを読む

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鈴木 光勇

鈴木 光勇

ITライター

1980年代から第一線でコンピュータ・通信技術を観察し、ライターとして活躍。記事執筆および著書多数。

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