安心してクラウドサービスを利用するために

安全かつ安価な「仮想プライベート・クラウド」

2012.12.11 Tue連載バックナンバー

 ITインフラ構築のコストがかからず短期間で必要なIT環境が整い、さらに低廉な利用料金で必要に応じてシステムリソースがすぐ手に入るのが「クラウド」。一見すればいいことづくめなのに、企業としてはやはり利用をためらってしまうことが多いようです。今まで大過なく運用してきた社内のITシステムとは異なるIT利用形態への転換、外部への社内情報の移転は、どうしても不安をかきたてられてしまいます。セキュリティは大丈夫か? システムは止まらないのか? 情報を失うことはないのか? 噴出するさまざまな疑問に、クラウドサービスはどう答えるのでしょうか?

 

クラウドに機密情報は流せない? それは本当でしょうか

 ある商社で販売管理の仕事をしているMさんは、そのかたわらで業務サーバーの管理も任されています。ある日Mさんは、部長から「コスト削減のプランはまとまったかな?」と突然問われました。IT関連コストの削減は会社の方針として、以前から強く求められており、MさんはIT関連コストの削減策を考える役目でした。
 業務の忙しさにかまけて具体案ができていなかったMさんは、とっさに「ええと、クラウドにシステムを移行すれば、運用コストは削減できるんじゃないでしょうか」とつい漠然としたイメージだけで答えてしまいました。すると部長は「ウチの宝物は顧客リストだよ! 個人情報が外部の会社に渡るような選択ができるわけがないだろう」と苦い顔。Mさんはそれもそうだと思いましたが、「でも今では金融機関でもクラウドサービスを使っているそうですよ。セキュリティ面では安全なんじゃないですか?」と反論します。「それなら、なぜ情報漏えいしないと言い切れるのか、報告書にしてください」と部長。
 思わぬやぶ蛇でしたが、Mさんは「確かに情報が外部に出るのは不安だけれど、世の中にこれだけクラウドが普及しているのだから、セキュリティが担保できる理由があるはず。ちゃんと調べてみよう」と思い立ちました。「もしかするとクラウド移行ということになって、私のサーバー管理作業もラクになるかも」と、関連情報の調査にも力が入ります。さて、その結果は……?

 

クラウドへの移行をためらってしまう理由は?

 Mさんの上司がクラウドに抱いているイメージは極端かもしれませんが、実は日本の企業がクラウドに対して最も不安に思っているのが「セキュリティ」なのです。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が、ITコーディネータを対象に、中小企業におけるクラウドサービス導入時の課題としてどういうことが考えられるかを調査した結果です。
安全性とコスト削減を両立! 仮想プライベート・クラウドとは?
出典:独立行政法人情報処理推進機構 「ITコーディネータが見た中小企業等におけるクラウドサービス利用上の課題・導入実態調査報告書 平成24年4月 p.10 『Q4. クラウドサービス導入時の課題・不安』より」

 たいていのITツールでは「投資対効果」が最重要課題になりますが、クラウドに限っては圧倒的に「セキュリティの確保」が問題と考えられています。では、クラウドのセキュリティとは何でしょうか。IPA(情報処理推進機構)では「対応が必要なクラウドのセキュリティ要素」として次の7点を挙げています。… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

長田 広海

長田 広海

フリーライター

専門家とアマチュアの間をつなぐメディエイターになりたいと思って早や15年。BtoB(Business to Business/企業間取引)のIT関連記事を中心に、Webメディア、各種書籍、雑誌に記事を提供している。

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter