仮想事例から考えるIT環境のトラブル対策(第5回)

売上に直結する「電話」の事故対策は十分ですか?

2013.10.02 Wed連載バックナンバー

 ビジネスにおけるコミュニケーション手段としてメールが広く利用されていますが、リアルタイムに会話ができる「電話」は言うまでもなく極めて重要なビジネスインフラです。この電話によるコミュニケーションを維持するためには何が必要か、仮想事例を通して考えていきます。

 

多くの世帯や企業の電話が不通になった東日本大震災

 大規模な災害が発生した際、被災地を中心に通話量が増大し、それによって電話がかかりにくくなることがあります。そのような経験をされた方も多くいらっしゃると思いますが、これは、通信設備の許容量以上の電話の発着信が発生する「輻輳(ふくそう)」や、その輻輳を防ぐために通信会社が通話規制を行うために生じる現象です。

 災害によっては、通信設備そのものが被災して電話が使えなくなることもあります。たとえば「通信設備を収容するビルが倒壊する」、あるいは「地震によってケーブルが断線してしまう」といったケースです。多くの通信会社では「堅牢なビルに通信設備を収容する」、あるいは「物理的に離れた地域で架線した複数のケーブルを使う」ことなどによって災害対策を講じていますが、災害の内容によっては対策が有効に機能せず、通信を維持できなくなるといったことも起こりえます。

 こうした電話のトラブルが長期化すれば、ビジネスに影響を与えることも十分に考えられるでしょう。たとえば、顧客からの問い合わせ窓口や注文窓口として電話を活用しているケースです。このような企業において電話が長期間にわたり使えなくなれば、売上に直接的に影響するでしょう。

 実際、東日本大震災では通信ケーブルの切断や通信局舎の倒壊により、多くの人々や企業で電話が使えない状況に陥りました。総務省が公表している「通信情報分野における東日本大震災による被害状況とこれまでの復旧状況(PDF)」を見ると、固定電話の約100万回線が一時的に不通になったとしています。
 固定電話の不通回線数の推移

 こうした状況への対応として、まず考えられるのは「電話転送サービス」の活用です。これは「着信した電話を別の番号に転送する」というサービスで、電話が使えない拠点で使っている番号宛に発信された問い合わせの電話を、別拠点に転送することで問い合わせに応えられるようにするというわけです。

 

転送電話サービスを利用できなかったA社

 ただし、次の仮想事例のように、事後対策では十分にトラブルに対応できないケースもあり得ます。… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

Bizコンパス編集部

Bizコンパス編集部

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter