仮想事例から考えるIT環境のトラブル対策(第3回)

ネットワークトラブルがもたらした大きな悲劇

2013.09.18 Wed連載バックナンバー

 物理的に離れた距離にある拠点間を接続するため、多くの企業で活用されているのがVPNサービスです。このVPNサービスにトラブルが発生すると、業務はどのような影響を受けることになるのでしょうか。仮想事例をもとに解説していきます。

 

企業のIT環境を変えたVPNサービス

 本社と支社、あるいは営業所など、複数の拠点間のネットワークを接続することを目的として、多くの通信事業者などが提供しているのがVPN(Virtual Private Network)サービスです。通信事業者が持つネットワークを経由して拠点間を接続するVPNサービスは、盗聴や改ざんのリスクがあるインターネットに比べて安全に通信できるメリットがあります。さらに多くのVPNサービスにおいて、SLA(Service Level Agreement/サービス品質保証)などといった形で通信品質が保証されていることも大きな特長でしょう。

 このVPNサービスを利用するには、各拠点と通信事業者のネットワークを「アクセス回線」と呼ばれる回線で接続する必要があります。従来はこのアクセス回線のコストが高く、それがサービス利用料を押し上げていました。しかし現在では、インターネット接続にも使われているフレッツ光など、安価な回線をアクセス回線として利用できるVPNサービスが登場したことなどにより、以前よりもコスト負担を抑えてVPNサービスを利用できる環境が整いつつあります。

 このようにVPNサービスが利用しやすい状況が整備されたことで、それを前提として企業のITインフラが整備されるケースが増えています。VPNサービスなどを利用して構築する、広域で利用するネットワークのことをWAN(Wide Area Network)と呼びますが、たとえば各拠点に置いていたファイルサーバーを本社に集約し、支社や支店からはWAN経由でアクセスするという形です。このようにサーバーを集約することによって運用効率を高めれば、コスト削減や業務効率の向上につながるでしょう。

 なおVPNサービスは拠点間の接続だけでなく、各拠点からデータセンターに設置したサーバーを利用する目的でも使われています。多くのデータセンターは災害に強い建物で運用されており、さらに非常用電源など設備も充実していることから、オフィスにサーバーを置くよりも安全です。そこでデータセンターにサーバーを設置し、各拠点からWAN経由でアクセスするというわけです。

企業のIT環境を変えたVPNサービス

 

アクセス回線のトラブルで全国の拠点の業務が中断

 こうしたサーバー集約や用途の拡大により、企業のIT環境においてVPNサービスの重要性は高まり続けています。それだけに、トラブルによってVPNサービスが利用できなくなれば、大きな影響が生じることは想像に難くないでしょう。実際にVPNサービスが使えなくなれば、以下の仮想事例のような影響が生じることになります。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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