「防災の日」に向けて、あらためて考える災害対策(第4回)

IT環境の災害対策、実は後回しになっていませんか?

2013.08.28 Wed連載バックナンバー

 事業のさまざまな領域でITが使われるようになった今、災害からシステムをどう守るかが重要な課題となっています。今回は、IT環境における災害対策の考え方を解説しつつ、BCP対策ソリューションの導入事例から具体的な進め方をご紹介していきます。

 

IT環境において押さえるべき3つのポイント

 災害時における事業継続を考える際、重要なポイントの1つとなるのがIT環境における災害対策です。たとえば、サーバが被災して重要なデータを喪失すれば、その後の事業復旧が困難になるでしょう。そこでデータを安全な場所にバックアップしておき、データが失われてしまうような事態が発生しても事業を継続できるように備えておくといった対策が必要になります。多くの業務においてITが必要不可欠になっている現状を考えると、BCP策定に向けた取り組みの中でも特に重要なものであるのは間違いありません。

 ところが、その重要性が認識される一方で、社内のITシステムは非常に複雑化してきており、どこから手を付けていけばよいのか分からない、という状況になっていないでしょうか。ITシステムのBCPでは、次に挙げる3つのポイントを押さえて、対策を講じていくことが重要です。

(1) データを守る
(2) サーバを守る
(3) ネットワークを守る

  まずは、事業継続のために必要となるデータを確実に残すことです。製品の設計書や取引履歴など、今後の企業の成長のために必要となるデータや内部統制の観点で必要となるデータなど、しっかりとバックアップを取っておく必要があります。

 しかし、単純にデータを保護しているだけでは、迅速な復旧はできません。事業のグローバル化が進む中で、海外企業との取引も拡大していることでしょう。被災していないエリアの事業に影響を極力与えないように、可能な限り被害を受けない環境にシステムを置く。仮に被災したとしても、代替システムを直ぐに稼働できる環境を整えておく、ということがさらなるBCP対策として求められます。データセンターやクラウドサービスといった災害に強い環境をうまく活用することが重要です。さらには、データセンターやクラウドへ接続するネットワークを、信頼性の高いサービスへ切り替える、2重構成にするといった対策を取ることで、「災害時に止まらないシステム、止まっても早く復旧できるシステム」を実現することができます。

 

バックアップ回線を用意してネットワークのトラブルに対応

 それでは、いくつかの企業事例を見ながら、より具体的な対策内容を見ていきます。

 最初に、多くの拠点を抱える製造業A社の事例。A社では、インターネットVPNを利用して本社と拠点を接続していました。業務を進める上で必要不可欠な基幹系サーバは本社のオフィス内に設置されており、拠点はインターネットVPNを経由してサーバにアクセスするという形です。

 問題となっていたのは、拠点と本社をインターネットVPNで接続している点です。災害によってインターネットVPNでの接続が不可能になった場合、当然ながら各拠点から本社の基幹系サーバへの接続が不可能となり業務がストップしてしまいます。またインターネットとの接続は本社を経由する形となっているため、インターネットVPNがダウンするとインターネットにも繋ぐことができません。

 こうした課題を解決するため、A社では、… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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