「防災の日」に向けて、あらためて考える災害対策(第2回)

古い連絡網のままのBCPになっていませんか?

2013.08.14 Wed連載バックナンバー

 前回は、災害発生時に事業を継続するための指針となるBCPについて解説しました。ただBCPは1度策定すれば終わりというものではありません。そこで今回は、実際にBCPを策定する上でのポイントや定期的に見直すことの重要性などについて解説していきます。

 

BCPは定期的に見直すことが大切

 大地震や津波、豪雨、停電、あるいは犯罪などといった緊急事態が発生した際に、事業を止めることなく継続するための計画を事前に策定することを「BCP(Business Continuity Plan/事業継続計画)」と呼びます。東日本大震災以降、あらためて企業における災害対策の重要性がクローズアップされたことで、多くの企業でBCPが策定されるようになったことは第1回目でご紹介しました。

 ただ、そうして策定されたBCPは本当に有効なのでしょうか。そもそもBCPは1度策定して終わりではなく、継続的に見直し、改善を繰り返していくことが重要です。BCPを策定しただけで、その後まったく見直されていないといった状況の場合、実際に災害が発生したときにまったく役に立たないということも十分にあり得ます。また、策定に関わった一部の担当者だけしか中身を把握していない、というのでは「いざ」という時に全社的に対応することはできないでしょう。

 BCPが機能しない端的な例として挙げられるのは、災害発生時の「連絡手段」についての取り決めです。たとえばオフィスが被災して使えなくなった場面に備え、従業員間のコミュニケーションを維持することを目的として連絡網を作成するケースは多いでしょう。この連絡網に記載されている電話番号、あるいはメールアドレスは、現状に即したものになっているでしょうか。

 当然ですが、古い連絡先が含まれていては、緊急時に連絡網として機能しない可能性が十分に考えられます。つまり、実際に災害などが発生した際に活用できるBCPとするためには、定期的な見直しが欠かせないというわけです。

 

BCPの策定・見直しに役立つチェックリスト

 また、そもそも「必要な項目が網羅されているか」という観点で見直すことも欠かせないでしょう。新たな事業の立ち上げ、あるいは業務フローの改善などが行われれば、当然それに伴ってBCPも修正する必要があるためです。このようにBCPを見直す際、あるいは初めてBCPを検討するといった場面において参考にしたいのが、NPO法人事業継続推進機構「中小企業BCPステップアップ・ガイド」の「評価チェックリスト(PDF)」や、中小企業庁「中小企業BCP策定運用指針」の「BCP取組状況チェックリスト」など、各関係機関が公表するチェックリストです。

■BCP取組状況チェックリスト

BCP取組状況チェックリスト【出典】中小企業庁「中小企業BCP策定運用指針/第2版」より抜粋

 たとえば「災害によって設備が破損した」といった場合、どのように対応すべきかについてBCP策定上で十分に検討されているでしょうか。対策としては「遠隔地に同じ設備を用意しておく」といったものがありますが、それには相応のコストが発生するほか、設備を置くための場所も確保しなければなりません。さらに、「予備の設備を動かすための人材をどう確保するのか」についても検討しなければならないでしょう。「保険に加入し、災害時にはその損害補償で代替設備を導入する」という方法も考えられます。ただしこの場合は、… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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