「防災の日」に向けて、あらためて考える災害対策(第1回)

震災から2年半。南海トラフなどの大型地震に備える!

2013.08.07 Wed連載バックナンバー

 東日本大震災から2年半が経過するなか、南海トラフや首都直下型の大型地震がいつ発生してもおかしくないと予測されています。そこで、9月1日の「防災の日」を前に、企業としてどのような対策をとるべきか。「防災」「防犯」そして「情報資産の保護」といった観点から、4回にわたって解説していきます。

 

企業の責務となりつつある災害対策

 1995年の阪神・淡路大震災や2007年の新潟県中越沖地震、2009年の新型インフルエンザの流行、そして2011年の東日本大震災と、たびたび発生する事業活動の継続を脅かす脅威に備えるため、多くの企業で策定が進められているのが「BCP(Business Continuity Plan/事業継続計画)」です。たとえば東日本大震災では多くのオフィスや工場、店舗が被災したほか、その後の電力不足の影響を受けた企業も少なくありません。こうした事態に備え、事業を復旧し継続するための計画を策定しておくことは極めて大切です。

 特に地震大国である日本で事業を営んでいく上では、大地震に対する備えは欠かせません。たとえば活断層の1つである南海トラフで巨大地震が発生した場合、東日本大震災を上回る甚大な被害が発生すると推定されています。このような震災が発生した際、事業や従業員の安全をどのように守るべきかを考えるのは、企業にとって重要な責務だと言えるのではないでしょうか。

 また従業員の安全確保については、地方自治体からの条例といった形で企業に対応が求められています。たとえば東京都では東日本大震災の発生時に多くの帰宅困難者が発生したことから、「東京都帰宅困難者対策条例」を制定しました。この条例では企業に対し、従業員の一斉帰宅を抑制することや、従業員がオフィスなどに留まれるよう、3日分の水や食料の備蓄に努めることを求めています。このような条例が制定されていることからも、企業における災害対策は「必ず検討すべきもの」として捉えられていることが分かるでしょう。

企業の責務となりつつある災害対策

出典:内閣府『東海地震、東南海・南海地震対策の現状』より引用・編集

 

震災の影響が大きく広がる“サプライチェーンの寸断”

 また、自社が被災すると取引先の事業活動や顧客の生活にも大きな影響を与えることを意識すべきです。実際、東日本大震災では製造業を中心にサプライチェーン(部品や部材の調達/供給網)が寸断され、必要な部品が手に入らないことで生産が滞るという事態が多くの企業で発生しました。特にサプライチェーンがグローバルに広がっている自動車業界では、日本の工場が被災して部品の供給が滞ったことにより海外の自動車生産台数が落ち込むなど、東日本大震災の影響が被災エリアにとどまらず広範に及ぶ事態となりました。

 身近なところでは、ペットボトルで使われるキャップを製造している工場が東日本大震災で被災し、キャップの供給能力が大幅に低下したという事例が挙げられるでしょう。当然ですが、キャップがなければペットボトルで飲料を市場に供給することはできません。つまりサプライチェーンの一部が被災したことで、飲料業界全体に影響が生じたというわけです。

 これらの例からも分かるとおり、1社が受けた震災の影響がサプライチェーン全体、あるいは業界全体に広がる可能性も十分に考えられます。このため自社だけでBCPを完結するのではなく、子会社や取引先などを含め、サプライチェーン全体で災害対策を検討する企業も増えています。

 それでは、実際にどの程度の企業がBCPに取り組んでいるのでしょうか。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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