もう迷わないクラウドサービス選び(第4回)

クラウド・コンピューティングを巡る法律と近年の事例

2013.06.26 Wed連載バックナンバー

テロ対策を目的として制定された米国愛国者法

 クラウド・コンピューティングは企業のIT環境に数多くのメリットをもたらす一方、自社でシステムを構築・運用するオンプレミス環境とは異なるリスクもあります。こうしたリスクの1つとして意識しておきたいのが「法律」です。

 たとえばアメリカには「米国愛国者法(パトリオット法)」と呼ばれる法律があります。これはテロリズムに対抗することを目的として2001年に成立した法律で、捜査機関の権限拡大や国際的なマネーロンダリングの防止、テロ被害者への救済などについて規定されています。クラウドを利用する際に特に注意したいのは、捜査機関の権限拡大です。具体的には、メールや電話などの通信の傍受、蓄積されている通信記録へのアクセスなどが盛り込まれているため、テロ防止などを目的としてクラウド上に保存しているデータ、あるいはサービス提供のために使われているハードウェアそのものが差し押さえられる、といったことが起こる可能性があります。

 IaaS(Infrastructure as a Service/サービスとしてのインフラ、アイアース)では、1台の物理サーバーを仮想化技術を使って複数の仮想サーバーに分割しているケースが一般的です。このため、同じ物理サーバーを使っている別の企業が捜査を受け、それによって物理サーバーが差し押さえられた場合、自社のクラウド利用にも支障が生じる恐れがあるのです。

 テロ対策を目的として制定された米国愛国者法
 実際アメリカでは、犯罪捜査やテロ対策の一環などとしてデータセンターの差し押さえや当局による個人情報の収集が行われています。2009年にはアメリカのデータセンター企業Core IP Networks社がデータセンターのシャットダウンを命じられ、顧客がデータセンターに置いていたサーバーにアクセスできなくなるという事態が起こりました。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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