データセンターを賢く利用する

最新データセンターの施設・設備とサービスを知ろう

2013.05.24 Fri連載バックナンバー

 「サーバーがあるところ、運用管理の手間とコストあり」。コストは仕方がないとしても技術者不足の昨今、社内にサーバーが増え続けると、「1人情シス、しかも業務兼任」の運用管理者はパンクしてしまいそう。一部でも外部の誰かが管理を引き受けてくれないものかと考える企業にデータセンターの各種サービスはうってつけに見える。しかし一方では「大切なデータを外部に預けて大丈夫なのか」「本当に運用管理はラクになるのか」「大地震のときはどうなるの?」と様々な不安もよぎる。そこで今回は、データセンターの主なサービスと耐災害性やセキュリティのしくみ、そして肝心なコスト効果について考えてみよう。

 

利用しやすくなったデータセンター

 もともとシステムインテグレーターや通信事業者など古くから企業システムのアウトソーシングを担ってきた企業が、自社で保有しているITにまつわる施設と設備を有効に活用しようと始めたサービスが「データセンター」だ。堅牢な施設と合理的な空調設備を持ち、高速なインターネットバックボーン回線を引き込んでいるのがその特徴で、顧客は自前のサーバーやストレージ、ネットワーク機器を持込み、ラックを借りて設置するだけで、安定したインターネット回線を利用したサービス、たとえばEC(電子商取引/Electronic Commerce)などのサービスをはじめとした様々なWebサービス等を、自社に設備を持つよりも低コストで効率的、かつ安全に提供できるのである。
 このようないわば「場所貸し」サービスは「ハウジング」あるいは「コロケーション」と呼ばれ、広く普及することとなった。やがてデータセンター事業者は各社それぞれにユーザーサポートやコンサルティング、そしてより手厚い運用代行などの運用管理サービスを提供するようになり、スキルの高い情報システム部門が社内にない企業でも、容易に利用できるものになってきている。

富士通 データセンターアウトソーシング サービスメニュー
NTTコミュニケーションズ データセンターサービス詳細
KDDI アドバンスドデータセンターサービス
さくらインターネット ハウジングオプションプラン

 データセンターの利用を始めるには、現在自社ビルに設置しているシステムの引越しが必要になる。一部の事業者からは「システム移転サービス」も提供されており、たとえばNTTコミュニケーションズでは顧客との調整、関連するシステムベンダーやネットワークベンダーとの調整、移転プロジェクトの管理などまで担当できる「ICT移転サービス」を提供している(関連記事「確実な移設と最適な配線でデータセンター利用を開始」)。こうしたサービスを利用することにより、現在利用しているシステムをデータセンターに移転するための人手や手間、コストをあまりかけずに、専門知識が必要とされるシステム移転作業をシンプルかつ短期間に行うことができるようになった。
 また、料金についても従来はラック1本単位の料金設定がほとんどだったが、現在ではラックの一部だけでも借りられるようになるなど、利用のための敷居はずいぶん低くなっている。利用規模についてはもちろん契約によって変更できるので、自社社屋でのシステム運用ではいずれスペースが足りなくなると予想されるような「小さく始めて大きく育てる」ビジネスにも適している。

 

ホスティングサービス、クラウドサービスとの関連

ホスティングサービス、クラウドサービスとの関連

 「レンタルサーバー」や「ホスティング」、「クラウド」などのサービスも、実際にはデータセンター内に設置されたコンピューターにより提供されている。できれば、そのサービスが利用しているデータセンターを確認しておきたい。海外のデータセンターや中継ケーブルでの事故が原因で自社が利用しているサービスが停止した場合、原因確認に相当な時間を要するケースもある。

 

最新データセンターの耐災害性

 データセンターを利用する利点として代表的なのが「耐災害性の向上」と「セキュリティ強化」だ。データセンターには、何が起きてもシステムを守るといった思想が建設時から行き届いており、一般的な企業ではコスト面で到底実現できないような堅牢な施設とセキュリティ対策が施されている。… 続きを読む

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長田 広海

長田 広海

フリーライター

専門家とアマチュアの間をつなぐメディエイターになりたいと思って早や15年。BtoB(Business to Business/企業間取引)のIT関連記事を中心に、Webメディア、各種書籍、雑誌に記事を提供している。

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