万一の事態でも事業が継続できる体制を整えるには?(第3回)

幸せな休日を過ごすためのデスクトップ仮想化の実現

2012.11.29 Thu連載バックナンバー

 IT部門は、コスト削減に継続的に取り組みながら、BCP(Business Continuity Plan/事業継続計画)対応としてシステムトラブルからの迅速な復旧を求められています。またIT化される業務領域は拡大し、システム運用者の体力的・精神的な負担は増えるばかりです。これら課題の解決手段として、DaaS(Desktop-as-a-Service/仮想デスクトップクラウド)を紹介します。



システム運用者に安息できる休日はない

 今日は専門商社○×社の情報システム課長Bさんの娘の3歳の誕生日。親戚が集まって朝から誕生パーティをしている。そろそろ、盛り上がってきた。こんな日は、専属カメラマンとして父親はとても忙しいのだ――。
 娘がケーキのローソクを吹き消した瞬間、ポケットに入れていた携帯がブルブルとふるえだした。そっと携帯を見る。会社からだ。
 「おいおい、待ってよ。今、大事なとこなんだからさ……」
 拍手が鳴り止まない中、後ろ髪をひかれる思いで別室へ行き、急いで電話を折り返す。
 「受注画面が固まっている。急いで対応してくれ!」
 それが相手の第一声だった。
 専門商社の○×社では、休日も受注システムが稼動している。受注システムが止まると、小売店などからの発注が受けられず、営業機会を失う。システム運用者は、休日に関係なくシステムを正常稼動させなければならない。落ち着いて休日を楽しむこともできないのである。
 サーバーの運用画面で受注システムのプロセス状態や、稼動ログを至急確認したいが、自宅にいてはそれもできない。ましてや、ITど素人相手に「画面が固まっている」といわれても、電話では見当もつかない。しかたなく、冷たい視線の妻に、カメラを預けて出社することに……。

 

DaaSによる運用環境整備のメリット

 システム運用に携わっていた方ならば、このような経験は少なからずあるでしょう。システム化する領域が増えるにつれ、IT部門の運用負荷は上がるばかりです。その上、経営層からは、ITコスト削減とBCPの両立を求められます。IT部門としては、その期待に応えながら運用担当者の人材育成にも取り組みたいところです。
 これらの取り組みを実現するには、以下の3点がポイントとなります。

・新たに開発することなく、社外からも社内の運用管理ツールをそのまま使って効率的に対応できる
・すぐに復旧させるため、場所や時間を選ばず、手持ちの機器を使って遠隔でオペレーションできる
・管理者としてサーバーを扱うため、信頼できるネットワークとセキュリティを確保できる

 加えて、システムトラブルを発見したユーザーと対話するには、業務システムの画面も同時に確認できる必要もあるでしょう。上記のポイントが実現できれば、短時間で復旧できるだけでなく、夜間に駆けつけるためのタクシー料金や休日出勤手当の抑制、運用担当者のストレス軽減、受注機会の損失回避などが可能となります。運用担当者が出張しやすい業務環境が整備できれば、新たな技術の習得など、社外教育も受けやすくなり人材育成にもつながります。
 そこでおすすめしたいのが、DaaSの導入によるシステム運用環境の整備です。DaaSとは、社外のモバイルパソコンやタブレットなどから社内パソコンのデスクトップをそのまま利用できる「仮想デスクトップ」を、クラウドサービスの形態で提供しているものです。仮想デスクトップとは、パソコンのデスクトップ環境を仮想化することによりサーバー上に集約したものです。パソコンごとにソフトウェアを導入していた従来方式に比べて、サーバーでソフトウェアを集中管理するため、どのパソコンやタブレットからも使え、利用上の物理的な制約がなくなるという特徴があります。
 仮想デスクトップは、Windows7の登場により評価が進み、クライアントパソコンの管理負荷軽減やセキュリティ確保を狙って、金融機関や教育機関、一般企業などが導入に踏み切っています。たとえば、… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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